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2020年2月23日号
米国 民主党ドタバタ大統領候補選び トランプ氏「国の運営できるか」
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米民主党の大統領候補者選びはとんだドタバタ劇で始まった。2月3日に全米最初となる党員集会が行われたアイオワ州で、「集計用アプリの不具合」により当日集計ができないという結果となった。

その後手作業などで開票が進み、ピート・ブティジェッジ前サウスベンド市長(38)が、バーニー・サンダース上院議員(78)らを抑えてトップになる見込みが発表された。

民主党本部にとって大誤算だったのは、これまで支持率トップと言われ、本命視されていたジョー・バイデン前副大統領(77)がまさかの4位だった点だろう。民主党ではサンダース氏への警戒心が強まっており、党員集会前には「サンダースが勝つようなら、ジョン・ケリー元国務長官に出馬を要請する」という声まで上がっていた。サンダース氏は民主党からの出馬ではあるが無所属であり、あまりにも急進的な考えが党内部でも批判されているためだ。

〝本命〟となったブティジェッジ氏も民主党の本流とはいえない。今回の結果に頭を痛めている民主党の上層部は少なくない、とも言われる。

民主党では2000年の大統領選以降、アイオワ州の党員集会を制した候補が指名争いに勝ち本選の大統領選候補となってきた。アイオワとそれに続くニューハンプシャー予備選が重要視されていたが、今回に限っては当てはまらない、という意見もある。後から参入したマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長(77)はあえてアイオワを回避し大票田に注力するなど、変則的な動きが見られる。

民主党本部は「今回のような混乱が二度と起きてはならない」と反省の弁を述べたが、トランプ大統領から「選挙結果さえ満足に管理できない党がどうやって国を運営できるのか」と皮肉られるなど、躓(つまず)き感は拭えない。

ブティジェッジ陣営はアイオワの結果に気を良くし、弾みがついた形だが、今後バイデン氏の追い上げはあるのか、サンダース氏との一騎打ちになるのか、など今後の指名争いの行方に注目が集まっている。

(土方細秩子)

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