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2021年4月25日号
カルチャー ギターに挫折した中高年に朗報 弦がなく指1、2本で弾ける楽器
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 読者の中にも若い頃、ギターに挫折した人は少なくないのでは? 多くは人さし指1本で6本の弦すべてを押さえる「F」というコードでつまずく。いわゆる「Fの壁」だ。

「でも、そういう人で、もう一度何か楽器をやってみたいと思っている人は意外に多いんですよ」

 そう語るのは永田雄一さん(45)。アコーディオンと歌の2人組「おふろdeアフロ」の作曲・ボーカルを担当するミュージシャンだが、ほかにウェブディレクターや販売促進コンサルタントとしても活動している。

「相方から楽器をやれと言われたけど、何も弾けない。それなら簡単に演奏できる楽器を作ってしまえ、と。で、周りを見渡すと、挫折オヤジのニーズが多いことも分かった。これなら商品化できると思いました」

 そんな経緯で生まれたのが「インスタコード」(3万4980円、送料込み)=写真=だ。大きさはウクレレくらい。左手で弦を押さえる部分にはボタンが並んでおり、これを押えてコードを指定する。右手で弦を弾く部分には6本のゴムパッドがあり、これを弾くと音が鳴る。挫折の源になりがちな「F」も指1本でOKだ。

「過去にも同じような楽器はあったが、本機のユニークなところはボタン配列。国際特許を取得しており、ポピュラーソングなら大抵の曲を指1、2本で弾ける構造になっています」

 中央のディスプレーで曲のキーを選択すると、使用するコードと番号が表示される。その番号のボタンを押して、右手でパッドを弾けば、初めての人でもすぐに歌の伴奏ができてしまうのだ。ギター以外にもピアノや管楽器など128種類の音色を内蔵しているので、いきなりマルチプレーヤーになれる。

「昨年、試作品を米国最大の音楽展示会に出展した際も、大きな反響があった。挫折組は世界中にいるんですね(笑)」

(小出和明)

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