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2023年5月 7日号
米国 次期大統領選フロリダで競るデサンティス氏とトランプ氏
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 来年に迫った米大統領選だが、共和党は早くも予備選への戦いで火花が散っている。特に目立つのはドナルド・トランプ前大統領(76)と南部フロリダ州知事、ロン・デサンティス氏(44)の争いだ。

 2人はともにフロリダ州に地盤を置く。現知事であるデサンティス氏は無論のこと、トランプ氏も自宅をニューヨークからフロリダに移しており、どちらがフロリダ州の支持を得られるかが重要な要素となる。年齢は違えど、どちらも共和党タカ派として知られており、知名度も互角だ。

 トランプ氏は自宅のあるゴルフリゾート、マール・ア・ラーゴにフロリダ州議員らを招いてパーティーを開くなど、着実に支持集めを続けている。4月中旬現在、トランプ支持を打ち出す共和党の州議員は7人となっている。

 一方、デサンティス氏の支持を明らかにしている議員は現在1人。しかし妊娠6週後の中絶禁止、性的少数者のLGBTQをテーマとした本の公立学校での取り扱い禁止などの法案に次々と署名。さらに他州での中絶に旅費を支給すると表明するウォルト・ディズニー社との対立から、フロリダ州にあるディズニーワールドのすぐ近くに刑務所を建設する予定を打ち出すなど、リベラル派との対立色を深めている。

 問題はデサンティス氏がまだ正式に立候補表明を行っていない点で、トランプ氏側としては表明前にできるだけ多くの支持者を集めようという算段だ。既にチームを組み、共和党の議員らに対して連邦政府、州政府レベルで積極的なアプローチを行っている。

 デサンティス氏は4月に入ってワシントンなどを訪問、狙いを定めた議員と個別会談を行うなど、着実な足固めを狙っている。ただし個別に面会した直後にトランプ支持を明らかにする議員が現れるなど、現時点では空振りが多い印象だ。

 トランプ氏は元大統領の立場から、これまで選挙でさまざまな州の議員への支持表明や応援を行っており、全国的な基盤が強い。デサンティス氏は知事という立場ゆえに全国的なネットワークに欠ける。しかし中央でも「もっと彼の人となりを知りたい」という議員は多く、今後どれだけ全国行脚をして自身の政策などをアピールできるかが鍵となりそうだ。

 米選挙・世論分析サイト「ファイブサーティエイト(538)」によると、4月11日の時点で共和党候補者として最も支持率が高いのはトランプ氏の49・3%で、デサンティス氏は2位の26・2%。しかし、既に立候補を表明しているニッキー・ヘイリー氏や、前副大統領のマイク・ペンス氏らが1桁台であることを考えると、立候補を表明していないにもかかわらずデサンティス氏の支持率は高いという見方もある。

 デサンティス氏は立候補するのか、それとも年齢から考えて次に賭けるのか。もし出馬しなければトランプ氏への支持は圧倒的になりそうだ。今後のデサンティス氏の出方に注目が集まっている。

(土方細秩子)

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