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2021年12月26日号
米国 側近が次々と辞めるのはなぜ 批判高まるハリス米副大統領
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 「カマラ・ハリスは『部下をいじめ、心を壊す上司』」

 12月6日付の米大衆紙『ニューヨーク・ポスト』はそんな見出しの記事を載せ、ハリス副大統領の〈上級側近の間で最近、エクソダス(大量離職)が起きている〉と報じた。

 年内で辞任する側近には、アシュレー・エティエンヌ広報部長、シモーヌ・サンダース上級顧問兼首席報道官のほか、4日付の有力紙『ワシントン・ポスト』に載った記事よると、さらに2人いる。同記事によれば、〈サンダース氏を失う痛手は大きい〉。同氏は昨年、大統領を目指していたバイデン陣営の上級補佐官を務め、警察官による暴行で死亡した黒人男性の遺族との橋渡し役を担った。ハリス氏が副大統領に就任後は〈米国初の有色人種で女性の副大統領を守るため、人種や性の差別に抗議してきた〉(記事)。ハリス氏の母親はインド出身、父親はジャマイカ出身だ。サンダース氏とエティエンヌ氏は黒人女性。

 エクソダスの理由は何か。同記事はハリス氏の「リーダーシップスタイル」に不満を持つ複数の関係者談話を載せた。匿名の元側近の証言はこうだ。

「カマラと働くと、不安定な彼女から心が壊れるほど叱られることに我慢し続けることになるんです。気づけば、いじめ加害者をなぜか弁護してばっかりいる自分がいました」

 2日付の有力紙『サンフランシスコ・エグザミナー』は2013年にハリス氏側近を5カ月間務めたジャーナリスト、ギル・デュラン氏の手記を載せた。11月の世論調査でハリス氏の支持率は28%だったことを挙げ、〈現代史で最も不人気な副大統領で、最も低い時に30%だったディック・チェイニー(元副大統領)を下回った〉と指摘。ハリス氏が〈部下の掌握に本腰を入れ、機能不全の連鎖を止めないと、汚名が確定してしまうぞ〉と苦言した。

(土方細秩子)

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