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2021年10月24日号
米国 「パンドラ文書」に載った著名人 ブレア氏は4735万円節税!?
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 ウラジーミル・プーチン、トニー・ブレア、ハリーとメーガン夫妻、エルトン・ジョン、リンゴ・スター、シャキーラ、フリオ・イグレシアス。職業も国籍もさまざまな著名人の共通点は「パンドラ文書」に名を連ねていることだ。資産をタックスヘイブン(租税回避地)に送るなどして納税を免れた疑いがある人々が載った文書だ。

 10月3日に暴露したのは、米国の首都ワシントンに本拠を置く非営利団体「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)。ウェブサイトによれば、世界各地のタックスヘイブンには顧客のためにトンネル会社を設立して資産を管理する会社がある。ICIJはそのうち14社から1190万件を超す金融取引に関する記録を入手したという。

 ICIJの調査に加わった英紙『ガーディアン』(電子版)は同日、〈パンドラ文書に載る人の全員が不正をしたと疑われているのではない〉とし、英国のブレア元首相と妻がタックスヘイブンである英領バージン諸島の会社を買収する手法でロンドンのビルを購入した事例を紹介した。納税額が約31万ポンド(約4735万円)少なく済んだという。〈この行為は違法ではなく、ブレア夫妻が固定資産税の納税額を積極的に減らそうとしたという証拠はない〉という。

 また、〈ロシアのプーチン大統領の名前は同文書にはない。しかし同氏に近い人物は何人も載っている〉とし、〝プーチンの財布〟という異名があった幼馴染(おさななじみ)(故人)や〈プーチン氏が以前、恋愛関係にあったとされる女性〉が含まれていると伝えた。

 ICIJはパンドラ文書を説明する3日付の記事で、〈魅力的な資金隠匿先として浮上したのは米国〉とし、〈人口が少ない米国のサウスダコタ州は外国資金の格好の逃避先となった〉と名指しした。

(土方細秩子)

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