米会員制スーパーマーケットのコストコは5月14日、「州や地元の当局がマスク着用義務を課していない場所にある(米国内の)店では、接種が完了した会員やその同伴者が顔マスクやフェースシールドを着用することなく入店することを認めます」と発表した。「接種が完了した」とは、2回の接種が必要なワクチンは2回目の接種から2週間後、1回の接種だけのタイプはその2週間後。米疾病対策センター(CDC)の指針に沿った措置だとしている。米小売り最大手のウォルマートも同日、マスクを不要とした。
マスク着用の義務化を禁止する州もある。テキサス州のアボット知事(共和党)は18日、こんな内容の行政命令に署名した。
〈郡、市、学校区、公衆衛生機関を含む政府機関及び公務員は、いかなる人に対しても顔面を覆う物の着用を求め、義務としてはならない〉。違反者には1000㌦(約10万9000円)以下の罰金を科すとした。
同州は3月、公共の場所でのマスク着用を義務でないとした。行政命令には、その後も新型コロナウイルスの感染者数は〈一貫して下落し続けた〉とある。それが今回の「反マスク政策」の理由だ。
首都ワシントンの連邦下院議会では、議事堂内でマスクを外すことを求める共和党議員に対し、民主党のペロシ議長が「接種を完了するまでダメ」と拒否。米NBCテレビ(電子版)は5月20日、〈下院内のマスクを巡る闘いは、米国中で起きている論争の縮図だ〉と報じた。
(土方細秩子)