サンデー毎日

国際
News Navi
2021年5月 9日号
米国 米軍、20年ぶりにアフガン撤退 決断の大統領に続々と反対意見
loading...

 2001年9月11日の米同時多発テロの直後、米国はアフガニスタンに侵攻した。それから20年、駐留米軍の兵力は今も約2500人に上る。

 バイデン大統領は4月14日の演説で、「何十億㌦もの費用をかけて一国に軍を配備することにあまり意味を見いだせない」と語り、テロ20周年の9月11日までにアフガニスタンから米軍を全面撤退すると発表した。

 アフガン撤退はトランプ政権の決定を引き継いだものだ。米政府は昨年2月29日、アフガンの旧支配勢力タリバンと協議し、「14カ月以内に米軍やその同盟国軍の兵力を完全に撤退する」と合意していた。つまり、撤退期限を今年5月1日としていたのだ。

 今回の決定を受け、トランプ前大統領は「私は5月1日までの撤退を目指したのであり、できるだけそのスケジュールを守るべきだ」としながら、「アフガニスタンから撤退することは素晴らしく、前向きなことだ」と評価した。

 それにかみ付いたのが共和党のリンジー・グラハム上院議員。最近まで上院司法委員長を務めた党の重鎮で、16年の大統領選挙同党予備選に出馬した。昨年の大統領選挙後はトランプ氏に「敗北を認めず戦え」と檄(げき)を飛ばしたタカ派だ。

 グラハム氏はトランプ氏の声明に対し、「アフガニスタンでテロリストが再台頭し、隠れ場所と聖域を認めることは何ら素晴らしくも前向きなことでもない」と酷評。少数の兵力をアフガンに残すべきだと主張している。米メディアによれば、オースティン国防長官や米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長も撤退に反対の姿勢を示したという。

 高まる懸念にサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は「大統領は米軍をアフガンに戻すことは全く考えていないが、事態を注視し続ける」などと釈明に追われた。撤退後に反米勢力が再び台頭すれば、バイデン氏は窮地に陥るだろう。

(土方細秩子)

うさぎとマツコの人生相談
週刊エコノミストOnline
Newsがわかる
政治・社会
くらし・健康
国際
スポーツ・芸能
対談
コラム