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2020年12月27日号
米国 トランプ氏の〝秘策〟は辞任?NY州司法長官が可能性に言及
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トランプ大統領がホワイトハウスを去る前に自分自身を恩赦する――。前代未聞の行動に出る可能性が取りざたされている。

米政治メディア「ポリティコ」は12月3日、政権関係者の見方として〈側近や補佐官などの高官およそ20人を恩赦対象者として準備しているが、顔ぶれは固まっていない〉と報じた。対象者にはトランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏、次男エリック氏、長女イバンカ氏、その夫ジャレッド・クシュナー氏が含まれるという。トランプ氏は2018年、〈私には自分自身を恩赦する絶対的な権限がある〉とツイートしている。

大統領が刑事訴追されていない人を恩赦すれば、憲法に違反するのではないか。ニューヨーク州のジェームズ司法長官は12月8日、米ABCテレビの番組に出演し、「法学者の圧倒的多数は、大統領は自分自身を恩赦できないと言っています」と語った。ただ、トランプ氏には〝秘策〟があると言う。

「彼が辞任して、(新たに大統領に就任することになる)ペンス副大統領に恩赦してもらうことです」

ジェームズ氏は民主党員の黒人女性で、トランプ氏に批判的なことで知られる人物だ。

同日付の米議会専門紙『ヒル』によれば、米司法省が1974年に当時のニクソン大統領を念頭に「大統領は自身を恩赦できない」などとする見解をまとめた文書が根拠。大統領の辞任と副大統領による恩赦が明記されている。

ジェームズ氏は大統領恩赦の対象は連邦法による罪であり、州法による罪は含まれないとした。

「トランプ大統領がニューヨーク州による法の裁きを免れることはできません」(ジェームズ氏)

同州の司法当局は昨年から、ドイツ銀行がトランプ氏に不正融資をした疑いで捜査している。

(土方細秩子)

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