サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2026年7月19日号
愛子天皇に反対するのが「立法府の総意」なら......全員落選だ!
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牧太郎の青い空白い雲/1031

「総意」という言葉を聞き慣れない。「多数決ではなく、関係者全員が納得して受け入れた合意」という意味らしい。英語のConsensus(コンセンサス)とはちょっと違うように思うし......。今どき、どんな組織でも「全員一致」なんてあり得ないのでは?

 とはいえ......。【皇族数の確保策に向けた「立法府の総意」】なる文書は〝日本人の一人〟として熟読した。「立法府の総意」なるものは、皇族数を確保するために①「内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することとする」②「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする」案を了としている。

 それに加えて、この2案を提言する〝前提〟として「ある立場」を明らかにしている。「今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことについては、立法府としてもこれを確認する」

 要するに、国会議員全員が揃(そろ)って「愛子天皇に反対する!」という〝立場〟なのだ。日本国は「男系男子、万世一系」、つまり初代の神武天皇から今上天皇に至るまで、例外なく男系(父方の血筋)で皇位が継承されてきた。確かに歴史上、女性天皇は幾人か存在したが、いずれも男系男子へ皇位をつなぐための「中継ぎ」だった!というのだ。

 しかし、である。「中継ぎ」ではない女性天皇が存在した。

 西暦201年から69年間、「天皇」だった女性。「15代神功(じんぐう)皇后」である。彼女は明治以前の「本朝皇胤紹運録(ほんちょうこういんじょううんろく)」に、歴代天皇として数えられていたのだが......。なぜか、大正151926)年の「皇統譜」で、歴代天皇から外された。

 多分、明治以降、政府にとっては「男系男子、万世一系」の〝建前〟を主張するのに「長期にわたる女性天皇」の存在が邪魔になったのだろう。調べると、中国の「宋史」に「次 神功天皇 開化天皇之曽孫女、又謂之息長足姫天皇」という記述があるし、専門家の間では「神功天皇は卑弥呼ではないか?」という説さえある。

 話を戻そう。「立法府の総意」の主張は幾分、曖昧だ。

 しかもである。「旧宮家の男系男子を養子にする案」は20年ほど前の小泉内閣時代、有識者会議で「論外」として選択肢にもならなかった。恐れ多いことだが、多分、当時の平成の天皇が「旧皇族の復帰」に反対されたからではないか。

 世論調査によれば、今、国民の多くが「愛子天皇」を望んでいる。憲法を素直に読めば、天皇は男性・女性を問わず日本国民を統合する象徴的存在である。もし、国会議員全員が「愛子天皇」に反対なら......。憲法のためにも天皇家のためにも、次の選挙で全員落選させなければ......。こんな気分だ。

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 ◇まき・たろう

 1944年生まれ。毎日新聞に入社後、社会部、政治部を経て『サンデー毎日』編集長に。宇野宗佑首相の女性醜聞やオウム真理教問題を取り上げる。現在、毎日新聞客員編集委員。ブログに「二代目・日本魁新聞社」がある

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