牧太郎の青い空白い雲/979
行きつけの東京・浅草の雷門通りのカレーライス店。1カ月の間に3〜4回は利用しているのだが......。この日、お客さんは外国人ばかり。若いスタッフに「俺を除けば日本人客は4組だけ。日本人は極辛の味を忘れたのかしら?」と冗談を言ったら、「日本の客はあなただけですよ。日本人と思ったんでしょうがあのグループ、全員中国人なんですから」。
まさか?「東京・大田区あたりの特区民泊を利用して、中国人が次々に移住しているんですよ。彼らは必ず浅草の観音様に来るから......」。特区民泊? 恥ずかしながら知らなかった。
「特区民泊」とは......。訪日外国人客が増加して、宿泊施設不足解消を目的に2014年に始まった特例。国家戦略特区に認められた大阪府や東京都大田区などで営業ができる。住宅宿泊事業法(民泊新法)によれば、「民泊」は年間の営業日数が180日。ところが「特区民泊」には制限がない。中国人が「特区民泊」で長いこと寝泊まりし「事実上、移民」になる。
正々堂々と移住する「中国人」たちが急増しているらしい。カレー店のスタッフが「東京大学の中国人学生がしょっちゅう極辛を食べに来ますよ。東大周辺のある地域も中国人だらけですよ」と言う。そこで野暮(やぼ)用のついでに「赤門」あたりを覗(のぞ)いてみた......。20年ほど前、父が編集した『日本橋総覧』という「古本」を探し歩いた「本郷通り」は、多くの書店が廃業?して中華料理店が次々に開店していた。
赤門や安田講堂の前で、中国人観光客のご一行が記念写真を撮っている。構内に入れば、そこら中から中国語が聞こえてくる。東大には現在3545人もの中国人留学生が在籍し、その割合は東大の学生全体の約12%に当たるという。留学生の大半は大学院生。大学院に限れば「4~5人に1人」が中国人という計算になるそうだ。
なぜ、彼らは東大を狙うのか。
どうやら、中国は日本以上に過激な受験戦争があり、国内のトップレベルの大学に合格するのは並大抵ではない。それに比べれば、東大の入試は「簡単」なのだそうだ。東大が「滑り止め」?
しかも、である。留学生は「国民健康保険の加入義務があり、高額療養費制度が利用できる」らしく(ネットで知った情報だが)、「中国人留学生の一人は23年10月に留学生ビザで日本に入国。同年11月に病院に入り治療を受け、1年後に1300万円の医療費を手にした」とのネット情報も......。
もっと気になるのは「教室は中国人ばかり」という異常事態である。某大学院の「日本史」の研究室。20人が定員。そのうち15人(75%)が中国人!だと聞いた。ひょっとすると30年後、日本における「日本史の権威」の大半が中国人になる可能性が大?