牧太郎の青い空白い雲/922
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)はちょっぴり気の毒である。
例の細田博之衆院議長の「辞任会見」(10月13日)。体調不良で議長は辞めるけど「辞めたくて辞めるわけではない。多少よたよたしているが、議員としての活動はできると思っている」と議員継続と次期衆院選立候補を表明?
まあ、それはご本人の勝手だが、「旧統一教会との関係」を聞かれると、こんなこと言い放った。
「一番怪しいと言われましたのは、名古屋市内での会議でのあいさつ。米国の国会議員も出るというので、出席した。私としては『安倍総理にもよろしく申します』と言ったが、これは安倍総理には伝えておりません。第一に伝える必要もない。ちょっとサービスで申し上げただけで」
アレは、単なるリップサービスだ!と言うのだ。
細田さんが所属する自民党、とくに「安倍派」は選挙のたびに旧統一教会のチカラを借りていた。自民党の調査だけでも、党所属国会議員379人中121人が旧統一教会と「深い関係」があり、斎藤洋明衆院議員や井上義行参院議員のほか16人が選挙で教団のボランティア支援を受けていたという。あえて名前を挙げた二人は「旧統一教会の票」がなければ落選か!という間柄だったとも報じられる。
世間は「自民党=旧統一教会」と思っているのに、「アレはリップサービス!」と聞けば、旧統一教会も立つ瀬がないだろう。ちょっぴり気の毒になってしまった(笑)。
政治家は日常的に「嘘」をつく。これは「演技性パーソナリティー障害」(虚言癖の一種)という病気では? と当方は疑っている。
自分を実際以上によく見せたい。そう思うとつい「嘘」をつく。妄想を「事実」のように話したり、有名人や権力者と知り合いであるかのように振る舞ったり......。逆に「悪いこと」「悪い人」とは無関係!を強調したりする。これは「政治家の病気」なのだ。
症状が高じると、周囲との利害調整ができず嘘がばれて、多くの議員が落選、たまに犯罪を起こし、逮捕されたり、自殺したりする。
細田さんの場合は「安倍総理に伝える」と最初から嘘をつき、今になったら「伝えるはずがない。無関係だ」と開き直る。嘘に嘘を重ねる。「演技性パーソナリティー障害」もかなり「重症」だ。
その昔、『サンデー毎日』の編集長として「オウム真理教の犯罪」を追及報道した時、教団側から「祟(たた)りが起こるぞ!」と脅かされたことがある。
インチキ宗教はなぜか「祟り」を連発するが、細田さんにここまでバカにされると、旧統一教会も黙っていないだろう。衆院選で自民惨敗!という「祟り」がやって来るかもしれない(笑)。