牧太郎の青い空白い雲/917
猛暑が続いている。今夏、35度を超えているのにやむを得ず、野暮(やぼ)用で外出して銀行から外に出た瞬間、頭がクラクラしてしゃがみ込んでしまった。
初期の熱中症?
猛暑で外気温が高くなれば、脳の温度も上がる。脳の温度が上がりすぎると自律神経に関係する体温、血圧、呼吸、心拍数、睡眠などにダメージを与える。
脳は非常にデリケートで「温度が40度を超えると脳細胞が破壊される!」と親しい医師から聞いたこともあるので、翌日、通販で「夢首元ひんやりリング」とかいう商品を購入。首筋や後頭部、脇の下など太い血管が通っている部分を冷やすことにした。
猛暑、つまり地球温暖化は「脳」の敵である。
医学的根拠はまったくないが猛暑が「変な犯罪」を引き起こしているような気がする。
例えば、健康食品会社「山田養蜂場」の次男坊(専務取締役だそうだが)、パパ活で知り合った女性に「入浴施設の脱衣所で女性客の裸を盗撮しろ!」と〝注文〟。
どうかしている。
盗撮という「恥ずかしい犯罪」はどこにでも転がっているが......。「隠れて一人でする犯罪」なのに「協力者」を作るなんて考えられない。
しかも「ローヤルゼリー」などで全国に知られる「巨大健康企業」の御曹司だ。次期社長なのに......。山田養蜂場は「儲(もう)け」だけの企業ではない。創業者の山田政雄さんがローヤルゼリーを研究したのは、娘さんが先天的な重度の心臓疾患を持っていたから。少しでも健康になって欲しい!という一念で、ローヤルゼリーの研究、販売を始めた。
娘さんは14歳の時、心臓外科手術で他界したが、その「思い」を胸に、全国延べ6万5478校の小学校に1校当たり10冊の図書を寄贈している。
研究開発にも熱心で、今話題の「免疫分析研究センター」などを設立。多額の研究助成金を提供している。
それなのに! バカ息子の逮捕!
国内だけでなく、海外の養蜂家と提携している「世界一の蜂蜜ネットワーク」が、今回の不祥事で崩壊するかもしれない。
馬鹿野郎!
記録的な暑さで「脳」がおかしくなった!としか思えない。
この夏、考えられないような犯罪が頻発した。その典型は、札幌市の繁華街すすきので起きた〝首なし殺人事件〟。精神科担当の優秀な医師が「娘の首きり」に加担した。「脳」がおかしくなったのだろうか。
ヘンな犯罪の背景に「暑さ」あり!と言うつもりはないけれど、記録的な残暑も続く。「脳の温度」(深部体温)を〝適温〟に維持する必要がありそうだ。