サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2022年11月13日号
追及すべきは「旧統一教会」より〝円安〟に何もしない岸田政権!
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牧太郎の青い空白い雲/883

 テレビの情報番組は(実は国会まで)「旧統一教会」問題に夢中だが、これで良いのだろうか?

 今、多くの日本人が苦しんでいるのは「狂気の物価高」である。

 反社会的宗教団体「旧統一教会」と自民党は〝お友達〟のようなもの。信者をだましてカネを奪い取る「インチキ坊主」と、コレを黙認する代わりに「選挙の票」を頂く。腹が立つことばかりだが、つまるところ旧統一教会なる組織を解散させれば良い話(もちろん、この「お友達」関係は名称を変えて続くだろうが)......。今、最も注目すべきは、我々が刻一刻、「貧乏」になっていく現状である。

 円安は止まらない。物価は日に日に上がる。言いたくないが、日本人の平均給与はこの30年間、ずっと400万円台。G7諸国と比べると最低だ。だというのに、国民年金は昨年の月6万5075円から6万4816円に目減りした。「たかが250円ぐらい」と言われそうだが、貧乏人にとっては「250円」が痛いのだ。「75歳以上の単身世帯で年収200万円以上の人」の医療費を1割から2割負担にしたのは、78歳の当方にとっては「犯罪的な仕打ち」である。

「円安」だけが原因!とは言わなが、目を見張る「食品価格の暴騰」。

 なのに、岸田政権は何もしない。

 英国のトラス首相は「英ポンド急落」の責任を取り、辞任したが、ポンドは9月初めに1㌦0・86㍀だったのが、一時0・95㍀程度まで約1割下落しただけ。辞任表明で持ち直した。それと比べると、円は年初来3割も安くなっていて1㌦150円前後。

 岸田さんはあまりに無責任じゃないか? さらに国民を貧乏に追い込む「仕打ち」を計画している。安倍(元首相)さんの〝遺言〟というのだが、「防衛費をNATO(北大西洋条約機構)水準のGDP比2%以上へ増額する」と画策している。現在の日本の防衛費はGDP比1%で約5兆円。これを10兆円にしろ!というのだ。5兆円の防衛費は世界第9位。10兆円になれば、アメリカ・中国に次ぐ第3位になる!というのが「安倍遺言」?

 要するに、最新兵器を大量に購入して、アメリカの軍産複合体にカネをばら撒(ま)く!というのだ。

 岸田政権は2023年度予算編成で防衛費増額の財源を「つなぎ国債」で、誤魔化(ごまか)すようだが、「軍事増税」は避けられないだろう。

 今、必要なのは増税ではなく、大幅な減税である。「ガソリン税」はもちろん「消費税」も5%以下に戻すべきだ。はっきり言わせてもらうが「円安」で一番、儲(もう)けているのは日本国政府である。政府は約180兆円の外債投資を行っているので、含み益だけで40兆円ほど「儲けている」のだ。

 昨年度、国の税収は67兆379億円。2年連続、過去最高だ。「円安」で儲けている政府には「消費税を5%以下に戻す」ことが可能だ。

 さらに続く「電気・ガス料金」「食品価格」の上昇には「減税」しかない!

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