サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2022年7月 3日号
黒田・日銀総裁の「トンデモ発言」浮世離れのトップは即刻辞任だ!
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牧太郎の青い空白い雲/868

 多くの日本人が物価高にあえいでいる最中、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁による6月6日の講演で飛び出した「家計の値上げ許容度も高まってきている」とのトンデモ発言。翌日、「必ずしも適切な言い方ではなかった」と謝罪したそうだが、こんな無責任の指導者を許していてよいのか?

 即刻、辞任すべきだ。

 こんな男に、月額201万円の給料と半期当たりの役員手当558万8000円のボーナスを払っていてよいのか? 彼の年収はナント!3530万円だ。

「月額201万円の給料」は総理大臣と同じだ。(総理大臣には「地域手当」が月40万2000円、ボーナスが年2回で年間約1154万円。で、年収は約4049万円)

 日銀総裁の年収3530万円は高いか、安いか?

 意見は分かれるが、米国大統領の年収、約4242万円と比べれば、間違いなく高い。

 もっと腹が立つのは、ほとんどのサラリーマンが低所得で苦しんでいるのに、黒田さんの報酬は2017年度に14万円もアップしている。億ションに住んでいると批判するムキまでいるそうだが、それは彼の勝手。文句は言わないが、あらゆるモノの値段が上がっても「高くても買わざるを得ない」庶民は苦しんでいる。物価安定を目指す中央銀行トップの発言としてはあまりに「浮世離れ」している。

 貧乏な日本人は海外にも多い。

 めちゃくちゃな「円安」で、英国ロンドンで生活している知人は「1㍀165円」で苦しんでいる。例えば、人気の回転寿司に行くと、高いお皿は5・5㍀。日本円に換算すると約900円だ。回転寿司にも行けなくなった。

 黒田さんの「円安」対策はゼロ!である。

 黒田さんのように、日銀総裁に2期連続任命されたのは1961年に再任した「第20代総裁・山際正道」以来だ。黒田さんは一部の「金持ち」から高い評価を受けているようだが、「金融超緩和政策と積極財政の協調が不可欠」なのに、その舵(かじ)取りができないままだ。「2%インフレの物価目標と景気回復」に甚だ矛盾する「さらなる消費税増税」を一貫して賛成する黒田さん。とても信じられない。

 黒田さん、辞めてくれ!

 総裁の座にしがみつくなら、報酬を大幅ダウンしよう!

 それにつけても「お金」を商品化して稼いでいる銀行トップの給与は日銀総裁よりベラボーに高い。

 例えば三菱UFJフィナンシャル・グループの場合、2021年3月期に1億円以上の役員報酬を受け取っている役員は10人以上だそうだ。無能な日銀総裁の給料が3000万円以上なら「銀行のトップは1億円以上でもよいだろう」と勘違いしていないか!

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