牧太郎の青い空白い雲/834
同い年の知人が新型コロナの後遺症に悩んでいる。
肺炎は軽くて早く治った。世間でいう「嗅覚・味覚障害」「脱毛」などの後遺症も、今の時点では問題ない。
「でも、何となく脳に霧がかかったような感じなんだ。認知症じゃないのかなぁ?」
まさか?
でも、ひょっとすると新聞で読んだ「脳の霧」(ブレインフォグ)と呼ばれるアレかしら?
超高齢者以外でも「軽い認知症」になるのかもしれない。
「お前、コロナが怖くて家に閉じこもっているだろう。でも、コロナには罹(かか)らなくても、急に胸が痛くなることもあるらしい」
知人はまるで専門家のように「コロナに罹らない後遺症」のことまで話す。
「たこつぼ心筋症と言うんだ。突然、何の前触れもなしに、胸痛や息切れの症状が出る」
心臓の中で、最も重要なポンプ機能を担う左心室の先端の一部が、収縮しなくなる。そこで突然、胸痛を起こす。
心臓の根元だけが収縮して、先端部が膨らむ形が「たこつぼ」に似ているので、そう呼ばれるが、天皇陛下(現上皇陛下)の冠動脈バイパス手術を執刀した天野篤(あつし)・順天堂大学医学部心臓血管外科特任教授は「コロナ禍の出口が一向に見えてこない今、外出自粛やテレワークの増加による運動不足、日々の不安や恐怖といった強いストレスを受ける生活が続いて、たこつぼ心筋症が増加する条件が整っている」と分析している。
知人の言い分では、新型コロナは感染しても、しなくても「万病のもと」?
僕もそうだが、確かに、家の近くの高齢者たちは家に閉じこもっている。近くの東京・浅草のウイークデイは閑散の極み。毎日新聞の川柳欄に「浅草が日本語だけの町となり」という傑作が登場したが、外国人と同時に「年寄り」も浅草からいなくなった。
しかし、外出自粛も「万病のもと」ではあるまいか?
運度不足で筋力や筋肉量が低下して転倒、骨折の可能性が大きい。事実、当方(転倒しないけど)血糖値が極端に悪化している。
この秋、外に出ようじゃないか!
大多数の高齢者がワクチンをすましているじゃないか?
お上は経済回復のために日常生活の制限を緩和するそうだが、経済回復より「年寄りの健康」のために「自由」を取り戻そう!
自民党総裁選で「歩け歩け運動を推進する!」と主張する候補者が現れたら応援するんだけれど(笑)。
ともかく、一人でも歩くつもりだ。