サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2021年5月23日号
"国政選挙3連敗"より、菅さんの「目が死んでいる」のが......
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牧太郎の青い空白い雲/815

「動き」がおかしい。落ち着きがなく、いつもキョロキョロ......記者会見の菅義偉さんの目線が妙だ。

 最初は、使い慣れしない「プロンプター」が正確に作動しているか、が不安で、神経質にチラチラしているのかな?と思っていた。が、そうでもない。

 会見の途中で、突然オロオロする。シドロモドロになる。

「目は口ほどに物を言う」とか「目は心の鏡」とか言うが......菅さんの目に光がない。「目」が死んでいるのだ。

 目が死んでいる!って、どういうこと?と訊(き)かれると、説明しづらいが......ニコニコしているのに目が笑っていない!というような中途半端な心理状態......要するに「挙動不審」なのだ。失礼だが、警察官に職務質問された時、コソ泥がみせる「妙な動き」に似ているのだ。

 いつ頃、菅さんの「目」が死んでしまったのか?

 勝手な想像だが『週刊文春』が長男・菅正剛氏が総務省の高級官僚を接待していた騒動をスクープした頃から「目」が死んだ。

 2月初め、発売前の『週刊文春』の〝早刷り〟を入手した時、菅さんは「みんな下がってくれ!」と秘書官を執務室から追い出し、一人で閉じこもってしまった。

「馬鹿野郎!」と怒鳴りつけたいが、それが出来ない。何しろ、出来の悪いセガレを大臣秘書官にしたのは自分だから、誰にも文句が言えない。

 菅さんは「首相にならなかったら、こんな屈辱は受けなかったのに!」と思ったはずだ。気の毒である。

 それ以降、悪いことばかりだ。

 コロナ対策は後手後手。日米首脳会談ではアメリカの〝言いなり〟になったのに、バイデン大統領は東京五輪を「支援する!」とは言わない。

 予想されたことだが、国政選挙は3連敗。もう「投げ出したい気分」ではないのか?

 菅さんは気弱なのだ。

 安倍晋三・前首相は平気で噓(うそ)が言えた。「いいとこのボンボンの強さ」で、朝昼晩、いつでも「噓」をついて平気だった。「俺は岸信介の孫だ。お前らとは血筋が違う」と自信満々だった。

 それに比べて「苦労人」の菅さんは上手に噓をついているつもりだが、目が死んで「噓」がバレてしまう。

 政治家は上手に「噓」がつけないと、おしまいだ。

 その昔、ある人物が、サンデー毎日が暴いた「女性スキャンダル」がキッカケで、首相在任69日間で退陣したことがある。その時、件の人物はサバサバしていた。

 はっきり言わせて貰(もら)う。「目が死んでる首相」では新型コロナに勝てない!

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