サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2021年5月 2日号
コロナの陰に「国境炭素税」など〝天下の一大事〟が存在する!
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牧太郎の青い空白い雲/813

 もうじきGW!というのに、朝起きれば「昨日の新規感染者○○○人」。昼の情報番組では大臣様が「不要不急の外出はやめましょう」、夜のニュースは「心配なワクチン遅れ」......寝ても覚めてもコロナ、コロナ、コロナ......他にニュースはないのか?

 くさくさする。

 しかも、である。菅内閣は「コロナ騒ぎ」を巧みに利用して「天下の一大事」を隠しているのだ。

 例えば第二のロッキード事件と囁(ささや)かれる「防衛省の529回面談事件」。

 例の「イージス・システム搭載艦」のレーダー選定を巡り、2018年2月から7月までの半年間で、防衛省職員が「業界関係者」と529回も面談していた。

 しかも、その大半がアメリカ軍需産業大手「ロッキード・マーチン」の関係者。防衛省のある元幹部は『しんぶん赤旗』の取材に「グリーブス米ミサイル防衛庁(MDA)長官が来日して、ロッキード・マーチン社のレーダーを選ぶように圧力をかけた」と暴露している。

 岸信夫防衛相は国会答弁で「2018年7月23日にグリーブス米ミサイル防衛庁長官と西田安範整備計画局長(当時)が面会した」と認めたが、なぜか、その面会記録が「黒塗り」になっていた。多分、当時のトランプ米大統領が「安倍1強」内閣に無理やり「武器の爆買い」を頼んだのだろう。

 秋田と山口にレーダーを配備すれば、日本全土に飛来する弾道ミサイルを迎撃できる!という〝触れ込み〟は(結果的だが)真っ赤な噓(うそ)? これは「犯罪的」取引ではなかったか? でも、ほとんど報道されていない。

 もっと気になるのは「国境炭素税」問題である。欧州連合(EU)は地球温暖化対策が不十分な国からの輸入品に事実上の関税を課す「国境炭素税(国境炭素調整措置)」構想を公表している。一見すると、気候変動問題解決の一歩!と見ることもできるが、当方には「日本イジメ」に見えて仕方ない。

 EUは「ハイブリッド車は電気自動車ではない」と主張。2030年代にハイブリッド車を含む内燃機関を全面禁止ということは、CO2排出規制をクリアしてハイブリッド車のベストセラー「プリウス」を製造するトヨタは大ピンチだ。

 日本人の550万人が自動車産業で働いている。輸出ができなくなると、100万人の雇用が失われ、15兆円の貿易黒字が消える。

 コロナ騒動並みの「天下の一大事」ではないのか? それなのに、なぜか、菅政権は「天下の一大事」の数々を隠している。

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