サンデー毎日

コラム
それってどうよ
2021年4月11日号
桜の樹の下にはいろんな思い出が埋まってゐる...=池野佐知子
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OL400人は考える・それってどうよ!?/690

 この号が発売される頃は、東京は桜吹雪でしょうか。「年々、桜が好きになる」と言う人が多いようですが、OLさんも桜の思い出は尽きないようです。

   ◇   ◇   ◇

「小学校も、中学校も、高校も桜並木が通学路。桜並木の中を通うのは本当に風雅でした。ピンクのトンネルをみんなで騒ぎながら歩いた日々が懐かしいです」

(コンサル・28歳)

「今年は会社のお花見はなくなりましたが、弊社の新人は花見の場所取りが仕事。私も新人時代、配属が決まったばかりで、右も左も分からない中、部内同期3人と朝8時に現地集合。場所をゲットして、ほかに話すことがないから、これからの社会人人生の不安や夢を語り合いつつ、夕方まで時間をつぶしたこと、あの時のピリッとしたまだ寒い空気感まで覚えています」(ゼネコン・26歳)

「初めてカレができたのが高2の春。1コ上の先輩で、初デートは駒沢公園のお花見でした。風が吹くとフワ~ッと花吹雪が舞って、本当にキレイだったなぁ。大学3年生までお付き合いして、カレの就職とともに別れたのですが、桜を見るたびに思い出してしまいます。桜デートって酷」

(コンピューター・27歳)

「異動したての部署で『歓迎会を兼ねて花見を』となり、桜の木の下にシートを敷いて、総勢30人くらいでお花見をしました。異動してきたのは私ともうひとり。次々とお酌されて、次々と飲んで、結果ベロンベロンに。先輩に背負われ、上司に吐しゃ物の始末をさせたという一生の不覚。そして、桜の季節になると、課内では必ずその話に(号泣)。早く忘れて!」

(損害保険・27歳)

「学生時代に浮気相手と千鳥ヶ淵で花見散歩をしていたら、向こうから本命のカレが浮気相手と手をつないでやってきたことがあります。互いに目が合ったけれど、何も言わないまますれ違い、そのまま自然消滅しました」

(商社・26歳)

「大学が桜の名所にあったので、桜の季節には一般の方々に交じって、各サークルの宴会が繰り広げられていました。若いからハメをはずす人続出で、裸で桜の木に登ったり、アニメのコスプレしたり、歌ったり。毎年、飲み過ぎて逆噴射する人も複数いて『この桜並木はH大学の学生のゲロで成長している』と言われたりしていました(失笑)」(IT・24歳)

「去年、コロナ直前に会社のサークルで花見。普通に楽しいお花見だったのですが、今年はできないし、もしかすると来年も難しいかもしれない。そのうちに会社でお花見、という行事自体がなくなる可能性も。となると、去年の満開の桜が愛(いと)おしいです」

(都市銀行・24歳)

「老木ですが、我が家の庭には大きいソメイヨシノが。今年も花開き、あぁ、春だね、と家族で椅子を出して、桜を眺めながらビールを飲みました。私が結婚して子どもが生まれるまで、桜が元気でいますように」(IT・25歳)

   ◇   ◇   ◇

 今年の桜は静かに愛(め)でて、来年の桜は賑(にぎ)やかに、でしょうか。

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