サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2020年9月13日号
「半沢直樹」じゃないけど安倍首相は退陣するなら土下座しろ!
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牧太郎の青い空白い雲/781

未(いま)だに、新型コロナウイルスの正体が分からない。

それより「新型コロナ専門家」の正体が分からない。

ある専門家は「人から人へと感染するにつれてゲノムが変異して強毒化する!」と説明する。逆に、ある専門家は「弱毒化して普通の風邪のように世界中に拡散する」と主張する。正反対だ。

「PCR検査は善か?悪か?」という議論も相変わらずだ。何を信じていいのか?誰もが悩む。

安倍晋三首相も「何もかも分からない国民の一人」なんだろう。経産官僚の言い成りで、自ら選んだ「専門家」の言い分が信じられないから、1カ月以上も「記者会見」を拒否。国会も開けない。そんな無責任なリーダーは世界中、どこを探してもいないだろう。

「連続在職日数が憲政史上最長の2799日」を達成して大喜びのはずが、2週連続で東京・信濃町の慶應大病院に通院。追加検査を受けた。

もしかして安倍さん、「体調不良」をアピールして退陣したい!と思っているのではあるまいか?

実は、首相が「2度目の追加検査」をした8月24日夜、僕は、親しかった故・安倍晋太郎さん(元外相・晋三首相のお父上)とゴルフをしている夢を見た。

1ラウンドを終えているのに、晋太郎さんが「もっとやろう!」と言い出し、ゴルフが苦手な僕が困った夢だ。

晋太郎さんはポスト中曽根の政局で最有力候補だった。外交上手だった。

晋太郎さんと某外務省官僚、それに僕と3人でパリでゴルフした時、珍しく「首相になったら北方領土を解決する」と呟(つぶや)いていた。

結果は「天下取り」で竹下登さんに負け、その後、膵臓(すいぞう)がんに苦しみ、亡くなってしまった。

ちょっと泣けた。そんな思い出がある。

安倍首相は(2015年9月14日の参院特別委員会で)「父ががんの手術をした後、余命もう2年であったのでございますが、命を削る思いをしてロシアに赴き、当時のゴルバチョフ大統領と会談を行い、英知をもって平和条約の締結に向けて4島の問題を解決していくという言質を引き出したのでございます」と演説した。

当時「外相秘書官」だった晋三さんは「父親の悲願」をよく知っているはずだ。

前回「安倍首相が退陣?なら北方領土をプーチンに献上しただけ?」で指摘したように、安倍外交は2島返還? しかも中途半端だ。

新型コロナ対策まで放置して退陣するとすれば......人気爆発のTBS系ドラマ「半沢直樹」(日曜午後9時)の土下座シーンではないが、安倍首相!父・晋太郎さんに、そして国民に「土下座」してもらいたい!

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