牧太郎の青い空白い雲/770
テレビが面白くない。
昨今は安直な番組ばかりだったが、此処(ここ)へ来て「コロナ禍の外出自粛」で再放送だらけだ。
(もっとも、NHK Eテレの「100分de名著・平家物語」など、再放送を歓迎された番組もあるが)多くの再放送モノは「時代遅れ」を感じさせてしまう。
でも、放送人の意見は違う。
「再放送は軒並み視聴率が上昇。TV離れに歯止めがかかっている」と言い放しているのだ。
冗談じゃない!
再放送が一巡すれば〝再々放送〟でメシを食うつもりなのか?
再放送ばかりなら、NHKは受信料を返すべきだ!
受信料の二重取り。視聴者はバカじゃないんだぞ!
民放にも腹が立つ。スポンサーに「AIが『ジャニーズの誰々を起用すれば視聴率15%は確実』と言っている」と説明する。スポンサーは「AI」っていう言葉に弱い。結果、どこの局も似たような番組になる。「パクリ企画」ばかり!とは言わないが、大ヒットの「ポツンと一軒家」(テレビ朝日)の二番煎じの企画ばかりだ。
「送りっ放し」が放送の運命だが、コロナ禍が「テレビの限界」を曝(さら)け出した。これではYouTubeに負ける。
大みそかの〝国民的番組〟「NHK紅白歌合戦」はどうなるのか。
新型コロナは今年の秋以降、第2波、第3波のパンデミックが起こるだろう。治療薬の実用化も年内に間に合わないかもしれない。
夏、大型音楽フェスや阿波おどりなどの大規模イベントも軒並み中止された。紅白だけ、国民的行事という理由で開催できるのか?
「3密」が日本国憲法になっている昨今、紅白の舞台「NHKホール」は客席数3600席である。
中止か? リモート開催か?
コンサートが次々と延期され、スケジュールが二転三転しているから「紅白の出場予定者」の調整も難しい。それに、今年は爆発的なヒット曲が見当たらない。
多分、最大限、すでに放送中の番組を使って「再放送的紅白」を目指すしかないだろう。
あえて言う。「紅白」まで再放送なら、当然、受信料は国民に返還されるべきだ!
雑誌『民放』5月号で、久米宏さんが「次の50年を担う放送人たちへ 僕の体験的テレビ論」と題して「NHKは民営化すべきだ」と主張している。
〈資本主義社会をわれわれは選んだんですから、自分たちのお金は自分で稼がないと。国民から受信料取って放送するのは間違っています〉
その通りだ。
改めて言う。再放送ばかりのNHKは受信料を「コロナに苦しむ国民」に返すべきだ!