サンデー毎日

コラム
青い空白い雲
2020年3月 1日号
日本共産党は〝不破哲三上皇〟の「地位と邸宅」を説明せよ!
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牧太郎の青い空白い雲/756

今回も「日本共産党もの」を書きたい。と言うのも、衆院選に小選挙区比例代表並立制が導入されて四半世紀。その間、民主党政権の失敗で、今や2大政党どころか野党は四分五裂?
噓(うそ)ばっかりの安倍1強に苛立(いらだ)つ日本人のなかには「共産党+れいわ新選組」の新しい流れに〝一縷(いちる)の願い〟をかける人たちがいる。しかし当方に取って共産党は依然として〝判(わか)り辛(づら)い政党〟なのだ。
一番、気になるのは90歳の不破哲三・前議長の〝上皇支配〟である。1月15日の党大会。不破氏は14年ぶりに演説。「不法な大国主義が現実の行動となって表れている。中国の多年の対外活動からも、中国の覇権主義を批判する党綱領改定案は当然の結論だ」と中国共産党を激しく批判、党綱領改定案が可決された。
しかし、ソ連が崩壊した時「中国があるじゃないか」と主張、2004年の党綱領改定で「親中国路線」を敷いたのは当の不破氏である。「見通しの甘さ」が批判されるはずだが、党大会最終日の役員選任で不破氏は常任幹部会委員として再任された。90歳になった高齢の不破氏には他にも役職があって最高幹部の一人。ズバリ「不破哲三上皇」なのだ。
なぜ、今でも共産党は「不破支配」なのか? それは、他に「理論家」がいないからだろう。1965年の『マルクス主義と現代修正主義』に始まり、約140の著作がある。昨年も『新版 資本論』を刊行している。党大会の会場にはベストセラー?『マルクス 弁証法観の進化を探る』が並んだ。
それにしても、やっと「親中国路線」と決別したのに......当方から見ると〝不破上皇〟が居座り続けているように見えてならない。
それに、もう一つ「赤い邸宅」問題も軽視できない。右寄りの作家・百田尚樹さんがツイッターで「不破哲三前書記長の邸宅がどれほど凄(すご)いものか、末端の共産党員は知っているのだろうか。門から屋敷に辿(たど)り着くまで、車で森の中を走る大邸宅なんて、滅多に住めない」とツイート。話題になった。
調べてみた。この「お屋敷」は神奈川県相模原市緑区青根字駒入原にある。広さは3265平方㍍(約988坪)。確かに広い.

問題は「所有者」である。土地は不破氏(本名・上田建二郎)のものだが、木造2階建ての二つの建物の所有権が03年11月に日本共産党に移転されている。公私の境が気になる(2月9日、現場を調査した時、入り口に古びた共産党のポスターが張ってあった)。
「1弱」の存在なら、誰も指摘しない話だが、野党再編のキーマンになれば、この「赤い邸宅」も攻撃材料になるだろう。
共産党の皆さんに申し上げる。誰でも「説明責任」が求められる時代ですよ!


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