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2025年1月 5日号
活動休止していた氷川きよし 心機一転の完全復帰への道
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 第75NHK紅白歌合戦の特別企画での出場、そして〝公然の秘密〟だった創価学会への信心もカミングアウトした氷川きよし――。今後の完全復帰への道が注目されている。

 20231月に活動を休止した氷川は、デビュー25周年を迎えた243月に所属していた「長良プロダクション」から独立を果たし、4月から活動を再開。25周年を記念したコンサートツアーを817日からスタートさせた。

「ところが、コンサートツアーのチケットの売れ行きは芳しくなかった。コンサート初日に行われた東京ガーデンシアターでは空席が目立っていました。前事務所とトラブルなどもあって、ファン離れが起こっているのではと囁(ささや)かれたのです」(音楽ライター)

 氷川は活動休止前から独立を巡って、長良プロとの話し合いを続けていた。独立の障害になったのは、氷川が東京・田園調布エリアに自宅を購入した際、事務所が設定した約3億円超の抵当権が事務所への借金として残っていた金銭問題、そして芸名問題だと報じられた。

「金銭問題については、氷川が大手金融会社から借りて清算しました、ところが、氷川の新芸名になるはずだった〝Kiina〟の商標登録を事務所側が特許庁に出願。この出願に関して、特許庁は243月に商標法の精神に反する〝公序良俗違反〟と判断し、却下したのです。長良プロは異議申し立ての意見書を提出するなどしたのですが、解決には至らなかった。しかし、この〝名前〟の問題については氷川自身が事務所側に歩み寄ったことで、独立への障害はなくなりました」(芸能ライター)

 しかし復帰後、予想外にファン離れが深刻化していることが明らかになった。

 前出の芸能ライターは、「デビュー以来のファンは〝演歌の氷川〟を応援してきました。しかし、数年前から、演歌以外の音楽にチャレンジする氷川に違和感を感じて、ファンクラブを抜ける人が増えたと言われているのです。復帰後、初のコンサートに空席が目立ったのはそのためでしょう」と話す。

 そうした中、氷川が「信仰告白」したインタビュー記事が、11月に発売された創価学会系の雑誌に掲載された。そのインタビュー内容について女性週刊誌が「氷川きよし 壮絶いじめと信心〝告白〟」と題して報じたり、あるいはネットニュースで拡散した。

 大手プロ役員は「ファンの中にはいろいろな宗教を信仰している人がいるため、芸能人が自らの宗教をカミングアウトすることはタブー視されている。それを氷川はあえて明らかにした。よほどの事情があったのでしょう」と首を傾(かし)げる。

 前事務所の元幹部は、「芸能界の育ての親である、長良プロ会長だった長良じゅん氏(故人)が12年前に事故死して、氷川をコントロールする人物がいなくなってしまった。今回の信仰告白も本人なりに考えたことでしょう。新たなファン獲得に結びつくかもしれませんね」と語る。

 大晦日の紅白歌合戦を契機にして心機一転、ファンを増やして完全復帰を遂げられるのか――。氷川から目が離せない。

(本多圭)

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 ◇ほんだ・けい

 1948年、東京都生まれ。芸能取材歴30年以上。週刊誌記者などを経てフリーに。芸能、医療分野などを手がける。著書に『スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など

[写真]「正義」はどこに...。記者会見で2次被害の防止を訴える女性検事(大阪市北区で 20241211日)

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