ダウンタウンの松本人志(61)が『週刊文春』の発行元の文藝春秋などに損害賠償を求めた裁判の第2回弁論準備手続は8月14日に予定されていたが、東京地裁の判断で延期になった。今後、裁判の長期化も予想されている。
「たとえ松本が裁判で和解、あるいは勝訴となっても、テレビ界にすぐに復帰するのは難しいでしょう」
そう話すのは、松本が所属する吉本興業の元役員。続けてこうも言う。
「文春記事の内容が事実なら、お笑い界の頂点に立った男としてはセコすぎて情けないですよ。彼の金銭感覚のシビアさが、起因しているのではないですか」
「松本とカネ」といえば、1月21日放送の「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)で、ビートたけし(77)が松本の女性醜聞に触れて「(タクシー代が)せこいよ! 3000円とか2000円とか......。ふざけんなよ」とコメントしていた。前出の元役員は、「松本は、女性との性行為は認めている。彼は何億というカネを稼いでいるのですから、女性に納得いくカネを渡していれば、告発されることはなかったかもしれない。彼は金銭にシビア。お笑いタレントの三又又三(またぞう)にカネを貸した時も、そうでした」と振り返る。
2017年、「オフィス北野」(現・TAP)に所属していた三又又三と松本の金銭トラブルを一部週刊誌に報じられたことについて、松本はテレビ番組で「三又又三が僕から大金を借りて、全然返さない、と。三又又三はクソでどうしようもないやつだ、と。これは完全に事実です。本当に(カネを)返さない」と断言して笑いを誘っていた。
松本と三又の金銭トラブルについて、三又の当時の事務所マネジャーが話す。
「三又は自身のバー経営の運転資金名目で松本に1500万円借りたが、返済が滞ってしまった。17年にそのトラブルが週刊誌に報じられ、三又は親族にカネを工面してもらって全額返済したようです。その後、松本のマネジャーから〝松本が利子はどうなっているのか、と言っている〟と申し訳なさそうに言ってきたのを覚えています」
その松本だが、彼と親しいテレビ関係者は「テレビ界に戻るのが難しい場合、米国に拠点を移すかもしれませんよ。松本のお笑い企画は海外で評価されていますからね」と話す。
松本は裁判で活動休止してから、彼がプロデュースしたAmazonプライムビデオのバラエティー番組「FREEZE」のフォーマットがポルトガル版で放送されたり、松本が企画・プロデュースした出演者同士が密室で笑わせ合う「ドキュメンタル」はすでに約20カ国に番組フォーマットを輸出している。
ダウンタウンの育ての親と言われる、吉本興業の前会長(大阪・関西万博催事検討会議共同座長)の大﨑洋氏は、「文春報道のかなり前、私は活動拠点をアメリカに移したら、と松本に話したことがある。松本は〝日本でまだお笑いでやることがある〟と言っていました」と語るが今後、米国進出の可能性はゼロとはいえないだろう。
裁判の行方とともに、松本のこれからの動きに注目だ。
(本多圭)
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◇ほんだ・けい
1948年、東京都生まれ。芸能取材歴30年以上。週刊誌記者などを経てフリーに。芸能、医療分野などを手がける。著書に『スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など