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2021年10月17日号
社会 京都市、三条通や銀閣寺参道「無電柱化」事業を3年間中断
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 京都市の「無電柱化事業」に急ブレーキがかかった。電線や通信ケーブルを地下に埋設するなどして電柱を撤去する工事のことだ。同市は2019年、今後10年ほどの間に無電柱化を目指す道路として34路線(約19㌔)挙げた。そのうち「景観の保全・再生」を目的とする24路線(約10㌔)の整備を今年度から3年間、中断する。該当する路線は三条通(中京区)、銀閣寺参道(左京区)、八坂通(東山区)などだ。市道路環境整備課の担当者が説明する。

「無電柱化するには1㌔当たり7億〜9億円もかかります。先斗町(ぽんとちょう)通など工事が進んでいる景観保全目的の路線は整備を続けますが、財政難の折、これからの所は中断せざるを得ません。一方、地震が起きて電柱が倒壊すると道路を塞ぎ、緊急車両が通れなくなる恐れがあることから、防災目的の路線は整備を続けます。整備中断の3年間がたった後については未定です」

 整備が遅れる三条通の住民団体「京の三条まちづくり協議会」の森本浩行会長(59)に聞いた。

「元々、祇園祭の山鉾(やまぼこ)が通る時に邪魔になる電線の地下埋設を要望し、京都市が無電柱化事業の候補地に決めていました。予算が付いてこれからという時に中断になり、大変残念です。とはいえ中止ではないので、官民連携のまちづくり事業に加わって道路と建物のあり方を考えていきたい」

 三条通の寺町通―新町通間にはレンガ造りの中京郵便局など戦前の近代建築が建つ。電柱がなくなれば景観がよくなるのは確かだ。

 京都市は昨年度、中小企業向け融資制度の預託金を積み増すなど新型コロナウイルス対策の費用が膨れ上がり、財政収支が赤字に転落した。景観保全が目的の無電柱化は「不要不急」のようだ。

(粟野仁雄)

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