六四(むし)たちが躍りだす!
五十の名句と細密画が響きあう。虫めづる俳人と『わたしはイモムシ』で話題の人気画家がおくる驚異の画文集!
「読者には桃山さんが全身全霊で描いた虫の絵をじっくり味わっていただきたい。そうすると、虫の句にも新たな息吹が宿り、一層十七音の妙を感得することができるだろう」(堀本裕樹)
「いつもより歩調を緩め、虫の存在を気に掛けながら歩けば、ひび割れたアスファルトにタンポポが咲き、ハナアブが休んでいることに気がつくかもしれません。その時、胸を駆け抜けるちいさな喜びが、句や絵のきっかけをもたらすのではないでしょうか」(桃山鈴子)
【登場する句(一部)】
山国の蝶を荒しと思はずや 高浜虚子
高嶺星蚕飼の村は寝しづまり 水原秋櫻子
碧揚羽通るを時の驕りとす 山口誓子
兜虫漆黒の夜を率てきたる 木下夕爾
米搗虫跳ね起くるとき思郷かな 堀本裕樹
叩かれて昼の蚊を吐く木魚かな 夏目漱石
酔うてこほろぎと寝てゐたよ 種田山頭火
さしのべし手と綿虫と宙にあり 綾部仁喜
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