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2020年9月20日号
10月25日衆院選 菅義偉 居直り解散の真偽
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急浮上 大敗逃れの河野太郎官房長官

自民党総裁・安倍晋三首相の退陣による党総裁選が9月8日に告示、14日に投開票される。だが、永田町の興味は早くも、その先の衆院解散・総選挙に向いている。新首相と目される菅義偉官房長官は〝伝家の宝刀〟を抜くのか。魑魅魍魎が飛び交う情報戦を追う。

総裁選出馬を表明したのは菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長の3氏。だが、雌雄を決した感は否めない。最大派閥の細田派(98人)、麻生派(54人)、竹下派(54人)、二階派(47人)、石原派(11人)が無派閥の菅氏の支持を決めたからだ。

岸田氏を推す岸田派は47人、石破氏が会長を務める石破派は19人だ。無派閥の64人が、岸田氏と石破氏に大きく流れることは考えにくい。それだけに与野党の最大の関心は総裁選の告示前から、新首相となった菅氏が「いつ解散カードを切るのか」に移っていた。

8月31日、月曜日の昼、今後の政治日程が記された2枚のメモを入手した。同日朝に作成されたという1枚目には、こうある。

〈9月15日 自民党両院議員総会で新総裁決定▽同18日 臨時国会召集、首班指名、組閣▽同29日 衆院解散▽10月13日 総選挙公示▽同25日 総選挙投開票〉

ところが、2枚目のメモには解散関連の日程は「今後の日程(解散なし)」。

自民党関係者は語る。

「このメモは、麻生派の関係者が作ったものです。日曜(8月30日)までの情報を基に解散スケジュールのメモを作った。(31日)昼になって、慌てて『解散なし』のケースでメモを作成したと聞いています」

情報が錯綜(さくそう)したようだ。

8月28日の安倍首相による辞任表明後、永田町を「衆院選10月25日投開票」のウワサが駆け巡った。理由の一つが内閣支持率だ。共同通信が8月29、30日に実施した世論調査で56・9%と、1週間前より約21㌽も跳ね上がったのだ。

「立憲民主党と国民民主党が解党・合流する野党新党の話題は埋没した。与党が現有議席を維持できないとしても、負け幅を小さく(総選挙が)できるのはこのタイミングでしょう」

これは麻生派の若手衆院議員の読みだ。菅氏は〝令和おじさん〟で一躍その名を知られることとなった。だが、首相に就任して時間が経(た)てば、支持率降下は免れない。そんな見方が大勢を占めているためだ。

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