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相続で間違わないたMEの「丸わかり」ガイド

2019年2月10日号

相続で間違わないための「丸わかり」ガイド

▼誰がどれくらい受け取るのか 

▼相続税はいくら?

 2018年7月、民法の相続に関する規定が改定されて、今年から順次、施行される。そこで新しい仕組みを中心に「相続とは?」について説明したい。相続税を支払うかどうかは別とし、相続は大半の人が経験する。その知識は得ておくべきだ。

「相続に関する法や税は難しい」
 そんな声は多い。確かに法律がいくつもあり、税の計算法も簡単とは言えない。半面、相続税を支払う立場になるかどうかは別とし、相続は大半の人が直面する問題。その知識は得ておきたい。
 まず説明を分かりやすくするため、「モデル世帯」を設けたい。夫が死亡し、妻と子供2人(きょうだい)の計3人が相続人で、遺産は評価額5000万円の住居と夫の預金3000万円で計8000万円とする。
 では、説明に入ろう。

 ◇遺産分割協議の前に

 遺産のある人が死亡したら、相続権のある人が集まり、遺産分割協議を行わなくてはならない。とはいえ、そもそも誰のことを相続人と呼ぶのだろう?

 相続人には2通りある。まずはイラストで表したとおり、配偶者や子供ら民法で定めるところの法定相続人。そして、もう一つは遺言書で相続人に指定された人たち。遠い親族のみならず他人も遺言書次第で相続人になれる。
 もっとも、一般の人で遺言書を書く人はまだ少数派だろう。そこで、今回は法定相続人と法定相続割合を中心に説明する。
 これを知ることが相続の第一歩なのだが、正しく理解している人は意外と少ないようだ。

 ◎配偶者(夫、妻)の相続

 どんな場合も配偶者は常に法定相続人となる。法定相続割合も高い。
 モデル世帯のように妻と子供2人が法定相続人となる場合、妻の法定相続割合は2分の1。妻は4000万円相当を相続することになる。モデル世帯以外で、子供が3人以上でも妻は2分の1だ。

 ◎第1順位の法定相続人

 死亡した人の子供や孫ら直系卑属

 まず子供が第1順位と呼ばれる法定相続人となるが、子供が他界していた場合、その子供(孫)か、さらにその子供(ひ孫)が同じく第1順位の法定相続人になる。孫、ひ孫による相続は「代襲相続」と称する。
 妻と子供で遺産を分け合う場合、その法定相続割合は妻が2分の1と先に説明したが、子供たちは残り2分の1。それを子供たちの人数で等分する。
 子供が他界していて、孫やひ孫が代襲相続する場合も、その法定相続割合は子供が生きていたときと同じ。孫が複数いたら、その法定相続割合をさらに等分する。
 モデル世帯の場合、子供たち1人当たりの法定相続割合は、2分の1のさらに2分の1なので25%。金額にすると、8000万円相当のうち、それぞれ2000万円相当ずつとなる。
 子供ら第1順位の法定相続人が存在すると、第2順位以下の人は法定相続人とならない。
「夫(妻)の両親にも遺産を分けたほうがいいのでは......」と考える人もいるだろうが、相続に関する法を定めた民法にはそのような規定がないのだ。

 ◎第2順位の法定相続人

 死亡した人の両親や祖父母ら直系尊属

 死亡した人に子供や孫がいないと、配偶者と両親が法定相続人になる。両親ともに他界していると、代わりに祖父母が法定相続人に。ただし、両親のどちらかでも生きていると、祖父母は法定相続人にはならない。
 その法定相続割合は、配偶者が3分の2で両親か祖父母は3分の1だ。
 モデル世帯の場合、両親は法定相続人とはならないが、仮に夫婦に子供がいなかったら、妻が5333万円相当を相続し、両親の法定相続割合は2666万円相当になる。

 ◎第3順位の法定相続人

 死亡した人のきょうだいやその子供ら傍系血族

 死亡した人に子供も孫もひ孫も、両親も祖父母もいない場合、きょうだいが法定相続人となる。
 また、きょうだいが他界していると、その子供が法定相続人に。甥(おい)、姪(めい)である。これも代襲相続だ。
 が、第1順位の孫やひ孫とは違い、甥や姪の子供らは法定相続人になれない。甥、姪までである。
 法定相続割合は配偶者が4分の3できょうだいは4分の1。子供2人のほか、両親もいるモデル世帯の場合、きょうだいが法定相続人になることはないが、仮に子供も両親もいなかったとすると、妻が6000万円相当を相続し、きょうだいの相続分は2000万円相当となる。
 きょうだいが複数いる場合はその人数で等分する。甥や姪の法定相続割合は他界したきょうだいと同じだ。

 ◎第4順位以降は存在しない

 子供や孫、きょうだいらの配偶者は法定相続人とはならない

 法定相続人となるのは配偶者と直系卑属、直系尊属、傍系血族。それらの人がいない場合、遺言書がない限り、遺産は国のものとなる―。
 法定相続人の範囲と法定相続割合についてはご理解いただけたことだろう。
 ただし、税理士と弁護士の資格を持ち、相続問題のエキスパートである関根稔氏はこう言う。
「(法定相続割合に縛られず)話し合って自由に遺産を分割してもいいのです」
 法定相続割合は、民法が定める遺産分割時の「目安」と考えるといい。

 ◇遺産分割協議はいつ行う?

 遺産分割協議は相続に付きものだが、「いつまでに行うこと」といった定めはなく、大あわてでやる必要はない。
 半面、「熟慮期間」(相続を承認するか放棄するかなどを考える期間=後述)は自分の相続の発生を知った(親などが死んだことを知った)翌日から3カ月以内、相続税の申告・納付は同10カ月以内と決められているため、そう悠長に構えるわけにもいかない。
 モデル世帯の場合、妻と子供2人の3人が、8000万円相当についての遺産分割協議を行うことになる。
 このモデル世帯の遺産分割協議で、子供2人が「住居の売却を」と主張し、それで得られる現金を含めた総額を法定相続割合で分割することを要求し、妻もそれに合意すると、妻は4000万円、子供はそれぞれ2000万円を現金で相続する。
 ただし、そうなると妻は住むところに困ってしまう。そこで創設されるのが配偶者居住権だ。

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