一般愛好者の短歌や俳句を、大きく紙面を用いて掲載する新聞がある国は、世界でおそらく日本だけです。日本で新聞俳壇ができたのは明治も中ごろです。それ以後の新聞俳壇の歴史と事象をふまえながら、そこを舞台にどんな俳人が活躍したのか等、記録としての資料をまとめました。選者と投稿者、また俳壇との関係の変化を紹介します。
東日本大震災から八年。被災地では到達点のない復興作業が今も遅々として続いています。震災は俳句をはじめとした文学にも大きな影響を与えました。「多くの人たちが、俳句に生きる力を得ていた。現在ただ今もそうである」(高野ムツオ)。非常時の「言葉の力」を考えます。
最新句集までのすべての句集でたどる星野高士の軌跡
【対談】小澤實 vs 堀本裕樹
『名句の所以 近現代俳句をじっくり読む』は小澤實さんが本誌に10年以上にわたって連載した「新秀句鑑賞」に加筆してまとめた一書です。近現代を代表する俳人300人の300句をていねいに読み込んだわかりやすい解説が好評です。
◆特集・新聞と俳句
青木亮人/総論:革新と名声、暮らし
◎年表(幕末以後のメディア・社会事象・俳句界の事象の3テーマ史一覧、解説付)
◎紙面アーカイブから(過去の新聞紙面の紹介)
◎新聞俳壇と俳人(新聞俳壇に投句歴のある著名俳人)
◎新聞俳壇 戦後の選者たち(毎日・朝日・読売・東京・日経・産経、各紙俳壇の歴代選者)
◎明治時代の新聞俳壇・選者と投句者(新聞「日本」「国民新聞」を舞台に)
◆3・11以後のまなざし
森 忠彦/大震災後の創作とは
高野ムツオ/神々を敬い、言葉を紡ぎ、心を通わせる
◆シリーズ「季語を考える」③
夏井いつき「季語は五感情報のかたまり」
阪西敦子「現象との遭遇」
マブソン青眼「〝自然詠至上主義〟が生んだ〝季題原理主義〟」
◆夏井いつき/発掘 忌日季語辞典⑤
百円札忌/植木等忌・入選句発表!
◆これからの「名句」の話をしよう
【対談】小澤 實 vs 堀本裕樹の2人が、名句と思うベスト10を発表しつつ語ります。
【新作俳句】
後藤比奈夫・池田澄子・中原道夫
榎本好宏・西嶋あさ子・草深昌子・若井新一・金田咲子
白濱一羊・黒澤麻生子・池田瑠那・村上鞆彦・堀下 翔
【かけ出し俳人のための心得教室】⑤「これっていいの? 悪いの?」
井上弘美/字余り、字足らず
小西昭夫/「句またがり」の秀句
高浦銘子/「季重なりはよくない」は本当?
黒岩徳将/使ってみようオノマトぺ
【カラー連載】
中村琢磨/いのちのうた
伊藤伊那男/一句一菜⑤(4月、5月、6月、旬のレシピ)
石田郷子/山里暮らし⑤「贈り雛」
【大好評連載】
宇多喜代子/移りゆく日本の暮らし⑤「お彼岸のおはぎ」
髙柳克弘のよくわかる名句鑑賞⑤
星野高士の添削塾 ⑤
【カラー歳時記】
暮らしの歳時記365日(1月、2月、3月)
【ニュース:あるふぁウオッチ】
『金子兜太戦後俳句日記』第1巻、刊行される
「天地悠々 兜太・俳句の一本道」特別上映はじまる
片山由美子氏「香雨」創刊
現代俳句大賞ほか、各賞決まる
ドナルド・キーン氏逝去
【あるふぁ俳壇 入選作品発表】
池田澄子・小川軽舟・片山由美子・高野ムツオ、選
『語り継ぐいのちの俳句 3.11以後のまなざし』高野ムツオ著/評・神野紗希
『ほとほと 歳時記物語』髙樹のぶ子著/評・米本浩二
『近代俳句の諸相--正岡子規、高浜虚子、山口誓子など--』青木亮人著/井上泰至
『新興俳句アンソロジー 何が新しかったのか』現代俳句協会青年部 編/評・酒井佐忠
<評・田島健一】
句集『森へ』宇多喜代子著
『鷹羽狩行の百句 十七音への果敢なる挑戦』片山由美子著
句集『しなてるや』佐藤郁良著
句集『冬の旅、夏の夢』高山れおな著
句集『けものの苗』竹岡一郎著
句集『一声』中田尚子著
句集『アラベスク』九堂夜想著
句集『めるくまーる』樋口由紀子著
句集『神のいたづら』津久井紀代著
『実践! すぐに詠める 俳句入門』石 寒太著
『永遠の星座 文芸の哲学的基礎』熊瀬川貴晶著著
『俳句の水脈を求めて 平成に逝った俳人たち』角谷昌子編