戦争体験を継承するために、現代史研究の第一人者が世代論によって歴史を見つめ直すライフワーク
共通する歴史体験は世代を形成し、世代はまた相通じ合う歴史観を生み出していく。現代史研究の第一人者が、世代論によって昭和史を見つめ直し、真に語り継ぐべき新たな「国民の歴史」の構築を目指す。
司馬遼太郎、吉田満、遠藤周作、鶴見俊輔、古山高麗雄ら、戦争で最も死者が多かった世代は、自らの体験を見つめたうえで、先行世代の「戦争責任」をどのように告発したか。そして、半藤一利、なかにし礼、小田実、野坂昭如ら、戦後民主主義第一世代は、戦争の何を見て、平和の語り部となったのか。
世代体験と人間の文化について、かつてない重みと広がりを持った国民的歴史書となる。
著者について
ほさか まさやす/一九三九年、札幌市生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。ノンフィクション作家。評論家。二〇〇四年、個人誌「昭和史講座」の刊行により菊地寛賞受賞。二〇一七年、『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞を受賞。近現代史の実証的研究のために、これまで延べ四千人の人々に聞き書き取材を行っている。著書に、シリーズ『昭和史の大河を往く』、シリーズ『昭和天皇実録--その表と裏』、『昭和の怪物 七つの謎』、『山本五十六の戦争』など多数。