書籍

サイエンス・自然科学
電子書籍
虫は人の鏡 擬態の解剖学
著者  養老 孟司
発売日:2020年12月19日
配信日:2020年12月22日
ISBN:978-4-620-32662-7
判型:A5判
頁数:216頁
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書影:虫は人の鏡 擬態の解剖学
定価:2420円(税込)
電子書籍版定価:2420円(税込)
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カモフラージュ、なりすまし、威嚇、死んだふり・・・虫の面白さは「擬態」にあり。なぜ虫はこんな色と形をしているのか。擬態を考察すると人間がわかる。解剖学者・養老孟司の思想の原点。初心者から本格的な虫好き(虫嫌い)まで、圧巻のビジュアルとともに<自然の見方>が学べる1冊。すべての現代人に贈る珠玉の虫エッセイ! オールカラー。

「私が虫なら、ヒトを笑う。こういう生き方があることを教えてやりたいよ」

擬態はゲノムのすることなのに、脳がすることにソックリである。もちろんそれは、神経系の機能の反映だからである。脳はそこに自分の秘密を見る。十九世紀およびそれ以前の科学者たちは、虫がする本能的行動を見て感嘆した。これこそ神の設計にほかならない、と。かれらは進化を知らなかった。だから、本能のほうが先で、神経系がそれに従って形成されたことに気づかなかったのである。かれらは虫を見て、本能を発見したつもりだったが、発見したのは、自分自身の出自だった。いまでもそうは思っていない人は、たくさんいるはずである。脳はなにか特別で、心というはたらきを示す。虫は馬鹿の一つ覚えをくりかえしているだけだ、と。(本文より)

写真・海野 和男

目次

00  なぜ虫か
01  カモフラージュ
02  警戒色
03  トラが出る!
04  目玉模様 
対談  偶然か必然か
05  オーストラリアの虫
06  アフリカの虫
07  メタリック
08  気味が悪い
09  堅い虫
010 死んだふり
011 ダマシとモドキ
012 似る努力
013 不思議な形
014 蝶の斑紋
015 キノコムシ
016 雄と雌
017 つがいと子育て
018 普通種
019 どこにでもいる虫
020 雑木林の虫
021 虫とヒト
索引

著者について

養老 孟司
(ようろう・たけし)

1937年生まれ。東京大学名誉教授、医学博士、解剖学者。東京大学退官後、北里大学教授、大正大学客員教授を歴任。京都国際マンガミュージアム名誉館長。1989年、『からだの見方』(筑摩書房)でサントリー学芸賞、2003年、『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。『唯脳論』(青土社)、『「自分」の壁』『ヒトの壁』(以上、新潮社)、『半分生きて、半分死んでいる』(PHP研究所)、『虫は人の鏡』(毎日新聞出版)など著書多数。

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