小林秀雄への尽きぬ想いとともに、「ソクラテスさん」「ニーチェさん」「ヘーゲルさん」「サラリーマンの皆さん」「お医者さん」......など、考える人々を生き生きと読み解く人物批評。初期の名著を、新編集で復刻!
「小林秀雄に惚れている私は、実は何に惚れているのだろう。何を言っても射てしまうという人間の在り方があるということを、私はこの人に初めて認めたのだ。素晴らしい、そして、恐ろしい」
哲学者が放つ形而上学的一撃(メタフィジカル・パンチ)
著者について
いけだ あきこ/一九六〇年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科を卒業。文筆家と自称する。池田「某」とも。専門用語による学問としての哲学ではなく、日常の言葉によって平易に哲学を語る「哲学エッセイ」を確立して幅広い読者から支持される。とくに若い人々に、本質を考えることの面白さ、形而上の切実さを、存在の謎としての生死の大切を、語り続けた。新宿御苑と神宮外苑の四季風景を執筆の伴とし、富士山麓の季節の巡りのなかに憩いを得て遊ぶ。山を好み、先哲とコリー犬そして美酒佳肴を生涯の友とした。『14歳からの哲学』『14歳の君へ』などの著述で話題を呼ぶ。著作多数。二〇〇七年春、大風の止まない夜に、癌により没す。その業績と意思を記念し、精神のリレーに捧げる「わたくし、つまりNobody賞」が創設された。