第一集の刊行から十数年、いまも読み継がれる哲学エッセイ『考える日々』『考える日々2』『考える日々3』シリーズ全3冊をここに集成。
「皆さん、いよいよ生き難い時代になるけれど、自分のことで深刻になることはできません。われわれは、認識する以外はできない種族なのだから、腹を括って、存在することを笑いましょう」
週刊誌の時評連載として3年間、時代と向き合い、考え続けた哲学者の軌跡の全貌。時代が移り変わっても、揺るぎない言葉が届く。池田晶子と過ごす1000日。
著者について
いけだ あきこ/一九六〇年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科を卒業。文筆家と自称する。池田「某」とも。専門用語による学問としての哲学ではなく、日常の言葉によって平易に哲学を語る「哲学エッセイ」を確立して幅広い読者から支持される。とくに若い人々に、本質を考えることの面白さ、形而上の切実さを、存在の謎としての生死の大切を、語り続けた。新宿御苑と神宮外苑の四季風景を執筆の伴とし、富士山麓の季節の巡りのなかに憩いを得て遊ぶ。山を好み、先哲とコリー犬そして美酒佳肴を生涯の友とした。『14歳からの哲学』『14歳の君へ』などの著述で話題を呼ぶ。著作多数。二〇〇七年春、大風の止まない夜に、癌により没す。その業績と意思を記念し、精神のリレーに捧げる「わたくし、つまりNobody賞」が創設された。