池田晶子・思索の集大成
急逝した著者の"最後の一年間"が綴られた、珠玉の哲学エッセイ44編。
めぐる季節の中で、暮らしの中で問い続けた「私」という存在の謎。
人生という不可解な旅を生きるすべての人へ――
「精神の歳時記」ともいえる文芸の新境地が展開される、池田晶子・思索の集大成。
著者について
いけだ あきこ/一九六〇年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科を卒業。文筆家と自称する。池田「某」とも。専門用語による学問としての哲学ではなく、日常の言葉によって平易に哲学を語る「哲学エッセイ」を確立して幅広い読者から支持される。とくに若い人々に、本質を考えることの面白さ、形而上の切実さを、存在の謎としての生死の大切を、語り続けた。新宿御苑と神宮外苑の四季風景を執筆の伴とし、富士山麓の季節の巡りのなかに憩いを得て遊ぶ。山を好み、先哲とコリー犬そして美酒佳肴を生涯の友とした。『14歳からの哲学』『14歳の君へ』などの著述で話題を呼ぶ。著作多数。二〇〇七年春、大風の止まない夜に、癌により没す。その業績と意思を記念し、精神のリレーに捧げる「わたくし、つまりNobody賞」が創設された。