秋場所号のテーマは「初優勝」。表紙は琴勝峰と名古屋場所で活躍した安青錦と若隆景です。冒頭は「初優勝、この一枚」と題して、兄弟子の琴櫻と弟の琴栄峰に囲まれ賜杯を持つ喜びの琴勝峰です。続いて、千秋楽の琴勝峰と題して、安青錦との取り組み、優勝インタビュー、優勝パレードなど11枚の写真で迫力ある見開き展開です。
特集はインタビューが3本と充実。琴勝峰のインタビューは結婚披露宴の司会を務めた刈屋富士雄元アナウンサーが聞き手です。13日目に横綱大の里に勝ったときから優勝を意識したと振り返りました。組んで攻める相撲、右四つを磨きたいと述べ、秋場所では「大関に手が届くよう頑張る」と決意を込めました。
次は、史上最年長の殊勲賞を受けた鉄人・玉鷲。吉田賢元アナウンサーが聞きました。対戦力士ごとのノートを付けて考えて相撲を取る習慣を30代から始め、横綱を一番上にファイルしていくというやり方。引退した力士はファイルから抜きますが、高安関は40枚を超えているそうです。また、玉鷲的ストレスの解消理論も語っており必読といえましょう。
3本目のインタビューはウクライナ出身で、入門2年で新三役に昇進した安青錦。聞き手は刈屋元アナウンサーです。名古屋場所では内無双で2勝しており、ウクライナにいるころから磨いた技で、ヨーロッパでは相撲は簡単に勝った方がカッコいいという考えがあると明かしました。また、師匠の安治川親方にもインタビューし、「繊細で周りがよく見える力士」と評し、誰からも愛される力士になれると思っていると語りました。
また、名古屋場所がこけら落としになったIGアリーナ、猛暑に耐える夏巡業、豊昇龍の横綱昇進披露宴、大の里の出身地・石川県津幡町で行われた横綱昇進パレードなど盛りだくさんです。さらに、「べらぼう」の時代の木版多色摺を、相撲錦絵でおなじみの木下大門さんが、木版画で大の里の錦絵を制作。「地墨」「肌の色」「背景」「土俵の色」「化粧まわしの色つけ」「艶墨」など17の版を重ねて完成させる工程を5ページわたってルポ。相撲ファンならずとも必見です。
このほか秋場所展望、名古屋場所レビュー、好評連載中の「対談 舞の海さんvs西岩親方」「やくみつるの一刀両断」など連載も充実。「よりぬきフォト」は「よみがえる平成3~4年」がテーマで、大横綱千代の富士の引退、加熱する若貴フィーバーで15枚の写真を集めました。読者プレゼントは、琴勝峰の初優勝サイン色紙、優勝ミニ額のほか、安青錦、翠富士、豪ノ山、朝乃山の直筆手形色紙や、藤ノ川の錦絵はがきなど豪華です。
付録「秋場所幕内・十両星取表」も付き、お買い得な一冊です。
【目次】
1 初優勝、この1枚
名門佐渡ケ嶽部屋 10人目の快挙10
<特集>
2 千秋楽の琴勝峰
4 琴勝峰インタビュー
刈屋元アナウンサーが聞く
琴勝峰、秋場所への決意
大関に手が届くよう頑張る
8 玉鷲インタビュー
吉田賢アナウンサーが聞く
家族で三回目の優勝を祝うのが夢
12 安青錦インタビュー
吉田賢アナウンサーが聞く
考え過ぎずに自分の相撲を取っていきたい
16 IGアリーナこけら落とし
17 猛暑に鍛える夏巡業
18 豊昇龍横綱昇進披露宴
20 大の里
横綱昇進パレード、県民・町民栄誉賞
22 「べらぼう」の時代の木版多色摺で
木下大門さんが「新横綱大の里」を制作
<展望>
35 幕内プロフィール
48 十両プロフィール
70 秋場所展望
72 対談 舞の海さんvs西岩親方
78 やくみつるの一刀両断
82 いち押し期待の力士
聖富士/碇潟
84 データアラカルト 山下和也
88 幕内十両新番付・昇降表
90 幕下以下新番付
54 名古屋場所レビュー
初優勝を目指して 琴勝峰/安青錦/一山本/熱海富士/草野
重圧に耐えて 髙安/琴櫻/大の里/豊昇龍
若手の戦い 平戸海/王鵬/琴栄峰/伯桜鵬/藤ノ川
復活への道 朝乃山/霧島/若隆景/御嶽海/玉鷲
94 幕内十両星取表
96 幕下以下成績表
98 各段優勝 十両三田/幕下朝白龍ほか
100 幕下プロフィール 名古屋場所結果
104 新序出世披露+新弟子検査
68 相撲NEWS
大の里の故郷石川県津幡町でNHK金沢がトークショーを開催
三人の元横綱が歓迎、天皇皇后両陛下モンゴル公式訪問
音羽山部屋部屋開き
<連載>
28 よりぬきフォト よみがえる平成3〜4年
32 たきもとかよの今Doki☆大相撲ウオッチ
62 読者プレゼントのご案内
66 創刊50年 力士プロフィールが伝える土俵の群像 94 教えて編集長㊹
横綱奉納土俵入りっていったい何なの?
106 角界情報
108 木村庄之助の相撲川柳㊿
109 アマチュア相撲
114 新・角界ファミリー51
岩友親方一家
116 桝席便り(番外編)
118 桝席便り 編集後記
120 次号予告 プレゼントの応募要項
付録 秋場所幕内・十両星取表