九州場所号のテーマは「夢に向かって」。横綱昇進がかかる貴景勝、秋場所の優勝争いの立役者になった熱海富士、右足の大けがを克服し4年ぶりに幕内復帰した友風の独占インタビューを掲載しています。また、八角理事長の還暦土俵入りや、静岡県焼津市、東京都大田区の巡業の現地ルポもあり、読み応え十分の1冊です。
貴景勝のインタビューは、「横綱への挑戦」がテーマ。東京都大田区の巡業会場で、NHK大相撲中継でおなじみの吉田賢アナウンサーがインタビューしました。秋場所の優勝決定戦では、「先輩横綱、大関の顔に泥を塗ることはできない。この思いが凝縮したのが決定戦で、必ず勝たねばならない。ただそれだけ」と打ち明けた。横綱挑戦については「命を懸けるくらいの気持ちでやる。腹をくくり切らなければいけない」と強い決意を話してくれました。
続く熱海富士のインタビューも吉田賢アナウンサーが担当。千秋楽の優勝決定戦は「私が入門する前から、部屋の横綱が対戦している相手。そこに私が立てているということを、昔の自分に言いたい気持ちです。全力でやったので嬉しかった」と振り返りました。毎日、100番近くとるのではないかと噂されている稽古については「要領がいい方ではない。稽古しないと強くなれない」と語りました。
取り組みで土俵下に落ちるとき観客を避けて右足に大けがを負った友風。序二段まで下げながら4年ぶりに幕内に復帰しました。インタビューは刈屋富士雄元NHKアナウンサー。大けがについては「半月板や膝蓋骨、すねの骨が砕け、膝から下は皮と血管でつながっていただけ。血管が切れていたら切断だと聞きました」と危機的な状況を打ち明けた。7場所休場し4回の手術。足の感覚は今でもなく、障害者手帳を持っているそうです。相撲を取るのは今でも恐怖心があるとのことですが「九州場所では4年ぶりの幕内土俵入りが楽しみです。友風が帰ってきたということをお客さんに見てもらいたい。勝っても負けても花道で拍手をもらえるように」と話しました。
九州場所展望では、貴景勝が堂々の優勝で綱取りの実現を果たしてほしいと激励。また、霧島、豊昇龍と3関脇は優勝争いに加わり、それが上位の責任だと指摘しています。
プレゼントは、貴景勝の優勝ミニ額のほか、豊昇龍、琴ノ若、朝乃山、熱海富士、友風の直筆手形色紙、熱海富士の錦絵はがきなど盛りだくさんです。付録は「幕内・十両星取表」です。