島津は、島津の戦いをするのみだ! 精鋭・島津家を自陣に引き込もうと策を巡らす家康と三成。決戦の終幕、家康の眼前を平然と進軍する義弘率いる島津勢の豪胆さに東軍は震撼した。家康が屈した、寸土の領地も与えぬ知略を尽くした戦後の外交戦。〝敗者の勝利〟を描く歴史巨編。九州統一を目前にして意気あがる島津家の前に、豊臣秀吉の大軍が迫る。常に最前線に立つ闘将・義弘。国内安定を優先する知将・義久。両雄の狭間で悩む若き後継者・忠恒。兄弟と親子は時に対立しつつも、運命の一戦に挑む。壮大なスケールで戦国島津一族の激戦を描く歴史小説。
著者について
このえ たつはる/1964年生まれ。通信社勤務、フリーライターを経て『時空の覇王』でデビュー。