ガンが再発したことを公表し現在闘病中の著者が、生きるということの根源を見つめる最新エッセー集。2013年に陽子線治療でガンを克服したのち、著者は「サンデー毎日」を舞台として社会的発言や平和に向けた提言を続け、大きな注目を集めてきた。いま再び自らの命の危機と向き合うなかで、平和から遠ざかりつつある日本社会でいかに生きるべきか、また、常識に縛られずに異端として生きる醍醐味とは何かを語り尽くす。
第1章「生きるということ」
第2章「平和に生きる権利」
第3章「異端として生きる」
第4章「人生に必要な芸術ベストテン」
第5章「至高の不良たち」
著者について
なかにし れい/一九三八年中国黒龍江省(旧満洲)牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒業。在学中よりシャンソンの訳詩を手がけ、その後、作詩家として活躍。日本レコード大賞、日本作詩大賞ほか多くの音楽賞を受賞する。二〇〇〇年『長崎ぶらぶら節』で直木賞受賞。著書に『兄弟』『赤い月』『天皇と日本国憲法』『平和の申し子たちへ』『生きるということ』『夜の歌』など多数。音盤に『なかにし礼と12人の女優たち』『なかにし礼と75人の名歌手たち』『昭和レジェンド 美空ひばりと石原裕次郎・なかにし礼』などがある。二〇一二年三月、食道がんであることを発表。先進医療の陽子線治療を選択し、がんを克服して仕事復帰。二〇一五年三月、がんの再発を明かして治療を開始。十月、完全奏功の診断を受けたことを公表した。