目次
Ⅰ章 新しい時代の人々へ
新しい時代の人々へ―平和を愛する友たちと歌う鎮魂歌と賛歌
1 戦争という邪悪
2 失われし人たちへの鎮魂歌
3 新しい時代の人々への賛歌
Ⅱ章 芸能の神秘的な力
黒柳徹子主演『ライオンのあとで』の情熱
勘三郎追善―平成中村座公演
ドイツ音楽への憧れ――ドレスデン国立歌劇場管弦楽団の独自性
新・北斎展―画狂老人卍の超絶生涯
オペラ『静と義経』再演
ショスタコーヴィチ交響曲第五番誕生前後
イチロー引退記者会見―アスリートを突き抜けた芸術家
渡辺謙凱旋公演―ミュージカル『王様と私』の叡智
映画『エイリアン』の造形デザイナー、H・R・ギーガーの迷宮世界
映像の魔術師フェデリコ・フェリーニ
西洋と和の調和と合体―TMIガラコンサートの熱度
『バスキア展』を観る―才能は時代の壁を突き抜ける
Ⅲ章 抵抗のための光芒
時の移ろいの中で
敗戦国の皇太子 平成の天皇の抵抗
マルクスとエンゲルス―若き革命家の肖像
「影の総理」と呼ばれた男、野中広務の信念
辺見庸『1★9★3★7』、堀田善衞、そして村上春樹「猫を棄てる―」
グレタは人類を死滅から救う天使か
団地はこの国の未来である―安田浩一『団地と移民』の志
Ⅳ章 わが文学遍歴
夏目漱石「高等遊民」への憧憬
平凡さという感動―漱石『思い出す事など』再読
漱石との決別―『満韓ところどころ』への絶望
小林秀雄転向の書「Xへの手紙」
闇より深い夜の奧へ―『夜の歌』の文庫版刊行にあたって
Ⅴ章 愛する歌い手たちへ
平成最後の紅白を飾る北島三郎『まつり』
タンゴの革命家―ピアソラ『リベルタンゴ』の飛翔力
戦後最大のカリスマ矢沢永吉に『いつか、その日が来る日まで』を書く
「最高塔の歌」と神の降臨!―矢沢永吉コンサートの衝撃
ジェジュンの美しい挑戦―今この時に、日本の歌のカバー!
ヨーヨー・マとジェジュン―二人のアジア人芸術家の愛と愛
Ⅵ章 愛は魂の奇蹟的行為である
愛は魂の奇蹟的行為である
Ⅰ うしろめたさの沼
Ⅱ 失われし人たちへの鎮魂歌
Ⅲ 即位礼正殿の儀
Ⅳ 愛しかない時
Ⅶ章 わが魂の音楽
マイ・ラスト・ミュージック―五嶋みどり「シャコンヌ」
マイ・ソウル・ミュージック―長唄『勧進帳』
大地の子の音楽的めざめ―ベートーヴェン『田園』と満洲の風景
戦後日本音楽の頂点―團伊玖磨・芥川也寸志・黛敏郎「3人の会」の先駆性
マイ・ラスト・ソング―「帆のない小舟」
Ⅷ章 赤い風船と白い男
赤い風船と白い男
Ⅸ章 紙上お別れ会
西麻布と八人の女たち―なかにし礼 略伝
伊藤彰彦
■悼む声・捧げる言葉
黒柳徹子/北島三郎/高島礼子/氷川きよし/石川さゆり/大竹しのぶ/佐高信/金時鐘/田中康夫/大下容子/寺島実郎/石破 茂/菊池正史/小池 晃/ジェジュン/松尾 潔/川村龍夫
■反戦と耽美の同志へ
美輪明宏
■ダンディズムと反骨心―追悼・なかにし礼
青木 理
■「創作の大海」への船出―なかにし礼の鬼気迫る深化について
村松友視
■生涯を賭けた戦後民主主義者の闘い―なかにし礼は「歴史の語り部」だった
保阪正康
著者について
なかにし れい/一九三八年中国黒龍江省(旧満洲)牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒業。在学中よりシャンソンの訳詩を手がけ、その後、作詩家として活躍。日本レコード大賞、日本作詩大賞ほか多くの音楽賞を受賞する。二〇〇〇年『長崎ぶらぶら節』で直木賞受賞。著書に『兄弟』『赤い月』『天皇と日本国憲法』『平和の申し子たちへ』『生きるということ』『夜の歌』など多数。音盤に『なかにし礼と12人の女優たち』『なかにし礼と75人の名歌手たち』『昭和レジェンド 美空ひばりと石原裕次郎・なかにし礼』などがある。二〇一二年三月、食道がんであることを発表。先進医療の陽子線治療を選択し、がんを克服して仕事復帰。二〇一五年三月、がんの再発を明かして治療を開始。十月、完全奏功の診断を受けたことを公表した。