100歳以上の高齢者は2020年9月時点で8万人を超え、日本は世界有数の長寿国となっています。現代社会において長寿とは、確かに喜ばしいことではありますが、健康や金銭面での不安があるのも事実です。「長生きしても仕方がない」と悲観的に考えるのではなく、高齢社会を肯定的に捉えられないものでしょうか。
先例のない長い老後と私たちはどう向き合い、生きればよいのか。留意すべきことは何か。70歳になられた姜尚中さんが、人生や老いにまつわる悩みを抱える多くの人々を勇気づけてくれます。現代における「老い」の意味と可能性を追求する、人生100年時代の必読書です。
人生の曲折を経て、私は身の丈の豊かさによって叶えられる
平穏な生活があることを発見したのである。
*
老いても、自分の知らなかった自分に出逢える。
そんな新しい発見に、「老いの妙」のようなものを感じる。
目次
第1章 コロナ時代を生き抜く著者について
姜 尚中(カン・サンジュン)
1950年、熊本県熊本市に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。国際基督教大学准教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授、聖学院大学学長などを経て、東京大学名誉教授。現在、熊本県立劇場理事長兼館長、鎮西学院学院長兼大学学長。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍。おもな著書に『悩む力』『母―オモニ―』『続・悩む力』『心』『母の教え 10年後の「悩む力」』『朝鮮半島と日本の未来』『それでも生きていく 不安社会を読み解く知のことば』 (いずれも集英社)、『見抜く力』『生きるコツ』(いずれも小社)など多数。