262文字の中に記述された現代宇宙論のエッセンス。「ゆらぎ」理論の研究などで知られる物理学者が「般若心経」を科学のまなざしで読み解く感動の宇宙講義。
この宇宙に存在するすべてのものは、根源において同一であり、互いに浸透しあう相互依存の存在である。私たちの体もまた「自分以外」のもので構成されており、物質としての自分の体は、時々刻々と変化しているのに、なぜ、自分は自分であり続けられるのか――現代科学が明らかにする宇宙の様相を、「般若心経」を通じて考察する、著者のライフワークここに結実!
<著者紹介>
佐治晴夫(さじ はるお)
1935年東京生まれ。理学博士(理論物理学)。松下電器東京研究所主幹研究員、東京大学物性研究所、玉川大学、県立宮城大学教授、鈴鹿短期大学学長などを歴任。現在、大阪音楽大学客員教授、北海道・美宙(MISORA)天文台台長。
量子的「無」からの宇宙創成に関わる「ゆらぎ」の理論研究、NASAボイジャー計画では地球文明のタイムカプセルとしてバッハの音楽を搭載することの提案などで知られる。また、宇宙研究の成果を平和教育の一環として位置づけたリベラルアーツ教育を全国的に展開している。『14歳のための時間論』『量子は、不確定原理のゆりかごで、宇宙の夢をみる』『詩人のための宇宙授業―金子みすゞの詩をめぐる夜想的逍遙―』『宇宙が教える人生の方程式』など著書多数。
目次
第1章 「自分」はどこにあるのか