権威を疑え。自分の頭で考えろ。
さもなくば、民主主義は終わる。
政権の「嘘」を暴き、糾弾し続ける元文部科学事務次官、
待望の最新書き下ろし! 『面従腹背』から新たな闘争へ 。
学ばない国民は政府によって騙される。
愚かな国民は愚かな政府しか持つことができない。
愚かな政府は腐敗し、暴走する。
安倍政権から菅政権へと、露骨な国政私物化が続いている。菅政権になっても、「官邸官僚」主導の政治体制は変わらない。
しかし、官邸官僚が「一本化」されたことで、安倍政権よりも支配構造がさらに強くなってしまった。
愚かな国民は、愚かな政府しか持つことができない。賢い国民が育つために決定的な役割を果たすのは、メディアと教育だ。
メディア関係者と教育関係者が権威主義や事大主義に毒され、同調圧力に加担し付和雷同に走るなら、日本国民はますます蒙昧の淵に沈んで行くだろう。
安倍政権下で加計学園問題の疑惑を追及した自らの体験を交え、腐敗した日本の政治を問い質し、打開策を提示する。
目次
■第1章 安倍晋三氏による国政私物化――加計学園問題
加計学園問題の真相/官邸からの人格攻撃とメディアの姿勢
■第2章 私物化の継承と暗躍する官邸官僚
国政私物化も継承した菅政権/官邸官僚・和泉洋人氏の暗躍
■第3章 安倍・菅政権における政と官
政と官の関係の変質/官邸一強体制と官僚の下僕化・私兵化/内閣法制局、検察庁、人事院にも広がる官邸支配
■第4章 人災だった全国一斉休校
突然の全国一斉休校要請/子どもたちがこうむった災難/政治家の無責任・教育委員会の事大主義/学校再開後も続いた子どもの災難
■第5章 奪われ続ける自由
あいちトリエンナーレ問題と表現の自由/日本学術会議問題と学問の自由/学問の自由と教育の自由
■第6章 主権者を育てる
賢明な主権者とは/校則の見直しから始まる民主主義/全ての人の学習機会を保障する
著者について
1955年奈良県御所市生まれ。東京大学法学部卒業。1979年、文部省(現・文部科学省)入省。宮城県教育委員会行政課長、ユネスコ常駐代表部一等書記官、文部大臣秘書官などを経て、2012年官房長、2013年初等中等教育局長、2014年文部科学審議官、2016年文部科学事務次官に就任。2017年1月、退官。
現在、自主夜間中学のスタッフとして活動するほか、講演や執筆も行う。著書に『面従腹背』(毎日新聞出版)、共著に『官僚の本分 「事務次官の乱」の行方』(かもがわ出版)、『この国の「公共」はどこへゆく』(花伝社)などがある。