幸せは踏まれて育つ
「『雑草』というと、何でもない草が、ただ何となくその辺に生えていると思われがちだが、とんでもない話だ。田んぼや畑、道路や公園などは、すべて人間が作り出した特殊な環境である。その特殊な環境に生える植物は、それなりに特殊な性質を身につけている」
街路のすき間で花咲くツメクサ、イネに擬態するタイヌビエ、特異な光合成能力を備えたスベリヒユ、発芽をコントロールするエノコログサ......雑草学の第一人者が描く、〈戦略家〉たちの驚異の生態! イラストレーション・三品隆司
目次
まえがき
Ⅰ 幸せは踏まれて育つ
オオイヌノフグリ――蜜のありかは顔が目印
コオニタビラコ――愛らしいのになぜ小鬼?
シロツメクサ――四つ葉のクローバーの見つけ方
ツメクサ――すき間は快適
ジシバリ――野原を埋め尽くす花の理由(わけ)
タンポポ――在来と外来の仁義なき戦い
ホトケノザ――花と虫の駆け引きと共生
スミレ――生きのびるための二つのプラン
カラスノエンドウ――三方一両得の不思議
オオバコ――踏まれるスペシャリスト
ナズナ――こぼれ落ちるタネの秘密
イタドリ――植物界の男女問題
ヨモギ――厄介者で役に立つ
Ⅱ 自分が生かせる居場所を作る
ツユクサ――隙のない戦略家
ワルナスビ――異国の地で生き抜く術
チガヤ――生物多様性を育む場
オヒシバ――頑丈系の意外な弱点
ギョウギシバ――干ばつに負けないすごい能力
イヌビエ――コスパと光合成
スベリヒユ――美味しく、めでたい
タイヌビエ――擬態雑草の行く末
エノコログサ――発芽を操る謎の仕組み
チカラシバ――ライバルはみんなシカが駆逐
タカサゴユリ――雑草に進化したユリ
ヤブガラシ――誰からも愛される虫のレストラン
Ⅲ 裏道を探して生きのびる
イヌタデ――色あせない花の生存戦略
ミゾソバ――土の中で咲く花は
ヒメツルソバ――愛らしいのにたくましい
カラムシ――衣服の歴史に寄りそって
マツヨイグサ――裏道を行く工夫と生き方
コマツヨイグサ――昼に咲き、夜にも咲く
カラスウリ――高貴で緻密で合理的
コセンダングサ――せっかち屋とのんびり屋
セイタカアワダチソウ――嫌われ者にもドラマはある
ヒガンバナ――すべて誰かが植えた花
ネナシカズラ――根も葉もないやつのずるい生活
ヘクソカズラ――清楚な乙女の生きる道
ヤマノイモ――茶畑の困り者の知られざる生態