人も遺品も〝ゴミ〟になる
凄まじい腐臭の漂う部屋で――
私は、亡くなった人々の抱えていた「生きづらさ」が
他人事とは思えなかった。
誰もが自分の死から逃れられない。
気鋭のノンフィクションライターが壮絶な〝後始末〟の実態に迫る。
各メディアで大反響! 待望の文庫化。
「特殊清掃」とは、自殺や殺人事件などが起きた凄惨な死の現場の原状回復を行う業務全般をさす。そして、そのほとんどを占めるのが孤独死だ。
私たちはいずれ一人になる。孤独死やゴミ屋敷などの壮絶な清掃現場をクローズアップし、死者たちの苦悩に思いを馳せ、特殊清掃人らの生きざまを描き、日本社会が抱える孤独・孤立問題に斬り込んだ渾身のノンフィクション。
目次
はじめに 人も遺品も〝ゴミ〞として処理される社会
第1章 異常気象の夏は特殊清掃のプチバブル
第2章 燃え尽きて、セルフネグレクト
第3章 孤独死社会をサポートする人々
第4章 家族がいてもゴミ屋敷に向かう
第5章 なんで触ったらあかんの? 僕のおばあちゃんやもん!
おわりに 孤独死に解決策はあるのか
AIやITを利用した見守り/郵便局の対面での見守り/レンタル家族で無縁者をサポート/行政の取り組み/支え合いマップ/セカンド小学校/孤独死保険/御用聞き
文庫版 おわりに
著者について
ノンフィクション作家。大阪芸術大学映像学科卒。出版社の編集者を経て、2005年より現職。主に孤独死や女性の性、毒親などの家族問題をテーマにウェブ媒体や書籍の取材、執筆活動を行っている。
著書に『母を捨てる』(プレジデント社)、『生きづらさ時代』『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』(ともに双葉社)、『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』(KADOKAWA)、『ルポ 女性用風俗』(ちくま書房)など多数。近年は、同名義で漫画原作も手がける。