その駒には魂が宿っている――
幻の将棋駒をめぐる希望と再生の物語!
「別次元の輝きだった。手に取って一枚一枚じっくりと見る前から、
駒がざらりと散らばったあたりが、すでに仄かな光に包まれているように見えた」
戦死した駒師が遺した傑作はどこへ?
棋士の夢破れた青年が、再起をかけてその行方を追う。
失われた駒を求めて、東京からシンガポール、マレーシア、アメリカへ――
旅の終わりに青年・竜介がたどり着いた真実とは?
松浦文学のあらたな到達点。幻の将棋駒をめぐる希望と再生の物語です。
目次
プロローグ──挫折
第Ⅰ部
一、戦死した駒師
二、数寄屋橋のうえで
三、見えない炎、見えない名月
四、路地の奥
五、すべてが灰に
第Ⅱ部
六、聖ラザロ教会
七、国境を越える]
八、ブルックリンの夕暮れ
エピローグ──再起
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