ここは夢が生まれる場所。
華やかなる"社交の殿堂"。
大正、昭和、平成という時代を情熱的に生きた人々を、鮮やかな筆致で描き出す。
直木賞作家が贈る、一つの建物の〈記憶〉をたどる長編小説。
大正11年、丸の内に落成した国際社交場・東京會舘。
海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー......。
変わりゆく時代の中、"會舘の人々"が織り成すドラマが読者の心に灯をともす。
著者について
一九八〇年生まれ。千葉大学教育学部卒業。二〇〇四年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。十一年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、十二年『鍵のない夢を見る』で直木三十五賞を受賞。十八年『かがみの孤城』で本屋大賞第一位。他の著書に『ぼくのメジャースプーン』『島はぼくらと』『ハケンアニメ! 』『傲慢と善良』『この夏の星を見る』など多数。エッセイに『ネオカル日和』『図書室で暮らしたい』がある。