特派員の肩書きもミッションもなし――
紙袋ひとつ持って「旧友たち」のもとへ。
今ひとたびの、灼熱大陸清貧一人旅。
コロナに罹患し、やっとのことで退院すると、まっ先に取材ファイルの整理に取りかかった。寝床で「あとはやりたいことだけやろう」と衝動的に決めたからだ。でもやりたいことってなんだ。この先何をしたいのか。はっきりしていたのは、アフリカを再び訪ねることだったーー。
四半世紀前、特派員として足を踏み入れたアフリカの地。今回は、特派員の肩書きもミッションもない。「受け身」に徹して見えてきたものとは? 毎日新聞夕刊の人気連載「25年後のアフリカ」、待望の単行本化。
モロッコ、西サハラ、モーリタニア、セネガル、ガンビア、ギニアビザウ、ギニア、シエラレオネ、リベリア、コートジボワール、南アフリカ......23年ぶりに、アフリカに"とっぷり"浸かってみた!
目次
・コロナと衝動
・「最後の旅」のその前に
・「朝の気分」に身を委ねたいのに……
・ハポネスは「若くて金持ち」!?
・モロッコの港でいきなり洗礼
・大陸の中の入り組んだ差別
・よみがえる差別の種、悪夢、暴動
・人助け率80%対17%
・灼熱のサハラ砂漠で決死のヒッチ
・「ここはアフリカですから」
・受け身でいられず、うるさい男に
・空色の服の修道女
・バードウオッチャーたち
・霊宿り、金疎む地で
・かつて見た「神」に会いたくて
・道々からんでくる“濃い”人たち
・族長の妻、涙の理由
・「召命」というより「縁」
・盟友がわらしべ長者に
・修行? 欲望は消えるのか
・“橋頭堡”たちとの30代
・ズールー語と和歌
・男と女と一夫多妻
・気の短いシェパード
・静かに去りゆく老人たち
・寡黙な友との穏やかな夏