土地と人々の記憶が紡ぐ珠玉の物語
芥川賞作家が放つ待望の傑作掌編小説集
少年と神様の出会いを描いた「掩体壕」、戦争の記憶がよみがえる「赤い波」、伝説と現実が交錯する「磨崖仏」、山での不思議な出会いを描いた「幻のホダ場」 。夢か現か幻か......。なつかしくて不可思議。心をざわつかせる36編。
目次
掩体壕/赤い波/磨崖仏/幻のホダ場/読む人を眺める/スイギュウのまなざし/フェリーに乗る前に/春の鳥/じゃあ湖畔で/巨木のほほえみ/道の駅でお茶を/猿染めの沼/歩道橋の子供たち/森からの光/見つからない橋 /言葉の余白/駅のホームの笑い声/飛行機に忘れ物/港のそばの小学校で/書店での出会い/洞と年寄りたち/林を抜けて海へ/ビニールハウスで雨宿り/バス停にて/ロビーで待つ/作品はどこに?/冬の海/沿道で待ちながら/希望の鉢植え/桜とあざらし/この波止場は波止場ではない/自転車は倒れ、雨に濡れて....../詩と診療所/石たちのあいだで/動物園、じゃねーし/乳白色の吐息