仕事、暮らし、家族、女の人生......本から平成・令和の世相を鋭く読み解く読書エッセイ!
「本を読むことが得意か、と問われたら、首をかしげざるを得ません。難しい本は、わからない。皆が知っている名作は、ほとんど読んでいない。読んだ内容をすぐ、忘れる」(「まえがき」より)
仕事、暮らし、家族、女の人生......表があれば、裏もある。本書は、本の世界から平成・令和の世相を鋭く読み解く読書エッセイです。
「週刊文春」連載「私の読書日記」2014年10月~2023年4月分から39篇を選び、再構成。登場するのは、『狂うひと』(梯久美子)、『生理ちゃん』(小山健)、『謎の毒親』(姫野カオルコ)、『家族最後の日』(植本一子)、『壇蜜日記』(壇蜜)、『小池百合子写真集』(鴨志田孝一)、『巨乳の誕生』(安田理央)、『ふたつのオリンピック』(R・ホワイティング)等々、2010年代~20年代初頭を彩った話題作の数々。
著者ならではの軽やかな文章で、時代の空気を見事に切り取った充実の一冊です。
目次
まえがき
Ⅰ 女の仕事と人生と
必死に生きた女達
痴女、痴人、白痴
幸福の形について
「書く人」の業
ままならない身体
人生の夏は短い
「女流」の消滅
エッセイを書く女達
狭い世界の深さと広さ
エッセイストとコラムニスト
ファースト・ドリップの瞬間
肉体と精神
Ⅱ 暮らしを巡る本
男も家事力、女も経済力
食と衣と
家族について考える
高い場所に住む
料理の効能
それぞれの「ていねい」
〝土地〟の性分
ひきこもりの効能
よむ、食べる、やめる、観る
Ⅲ 歴史の中へ、社会の中へ
濡れて、横たわる
遊女のドラマ、斎王のドラマ
ピンポン、ものまね、股間
女帝の装い
巨乳と制服
東京の変わり方、農村の変わり方
「色々」は大変だ
人の平等、種の平等
「イエ」と故郷
ネット社会と母系社会
Ⅳ 旅の空から
鉄道が変える人生
国から離れる、言葉から離れる
英国人のふるまい
旅に出ずして旅をする
歩み続ける高齢者
おかみと観光
旅の原動力
性愛と国道