テレビでは見ることの出来ないひたむきな母親の素顔を覗かせた、8年ぶり注目の新刊。
愛と葛藤の日々を赤裸々につづる、私小説のような子育てエッセイ。
母は、勉強嫌いな息子をいかに中学受験合格に導いたのか?
室井流「男育成」のカギがここに。
「息子には、生きる意味や自分の居場所を見つけてほしい」――。
そんな母の願いからはじまった、母子二人三脚による受験という闘い。
入塾テストから始まり、受験を前にした小学校生活、震災を境に変化した「勉強」の意義......。
母は息子のために子離れを決意し、親子は地方の寮制中高一貫校を目指してゆく。
息子を育てる悩める日々、そして子育てをしているから見えてくる「何かがおかしい」日本社会の姿を、室井節で痛快に斬りつつも、母としての柔らかな感性でつづる。
フリーマガジン「5L」(ファイブエル)にて好評連載中のエッセイに、ゆづきいづる氏による書き下ろし3コマ漫画を加えて、待望の書籍化。
小3~高1まで8年分の息子・珍エピソードに、子育て経験者たちから共感の声、続々!!
――たぶん、子どもを生んで育てることは、博打好きであったあたしの人生の中でも、初の大博打なんだろうと思う。
――離れれば離れるほど、わたしたち親子の信頼という気持ちが試される。もっともっと試したい、とあたしは思う。
――だから、電話はたまにしかかけない。そして短く終わらせる。そのために、それ以外の時間、いっぱいいっぱい息子のことを考えている。
――あのね、ママには二つの喜びがある。あんたを育てる喜びと働く喜び。
(本文より)
著者について
むろい ゆづき/1970年、青森県生まれ。雑誌モデル、銀座・高級クラブでのホステスなどを経て、1997年に「小説新潮」主催「読者による『性の小説』」に入選し、作家デビュー。
小説家、随筆家、タレントとして多岐にわたり活動。歯に衣着せぬ純粋な発言と、自由奔放で鮮やかな感性が主に女性読者の共感を呼び、注目を浴びる。
2000年に第一子となる男児を出産。近年は、シングルマザーとして子育てをしている立場から、教育問題をはじめ日本社会が抱えるさまざまな問題にも鋭い切り口で言及している。
「週刊朝日」や「女性自身」などで連載しているほか、TBS系「ひるおび! 」、「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」でのレギュラー出演をはじめ、ラジオやテレビなどでコメンテーターを務める。
主な著書に『熱帯植物園』(新潮社)、『血い花』(集英社)、『ラブ ゴーゴー』(文春ネスコ)、『ああ~ん、あんあん』(マガジンハウス)、『子作り爆裂伝』(飛鳥新社)、『ラブ ファイアー』(文春ネスコ)、『ママの神様』(講談社)などがある。