ほとばしる情熱と緻密な論理が一体となった、空前絶後のマンガ論!
「少年マンガというものは、人類が生み出した文化ジャンルの中で、もっとも特殊なものである、ということなんです」ーー日本を代表する知性・橋本治が独創的な視点で少年マンガ家の世界を読みといた幻の名著が、よみがえる。
少女マンガ論の古典として名高い『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ』の続編として構想されながら、上巻が刊行されたまま中断した『熱血シュークリーム』を中心に、少年マンガにかかわる文章を追加・再編集した決定版。高森朝雄・ちばてつや『あしたのジョー』、大友克洋『FIRE BALL』『GOOD WEATHER』、永井豪『マジンサーガ』、手塚治虫『奇子』、高橋留美子『うる星やつら』、望月峯太郎『バタアシ金魚』......名作の数々への愛と共感にあふれた少年マンガ論の金字塔です!
目次
はじめに 少年マンガの特殊性...1.少年マンガの特殊性/2.少年文化/3.少年 文化を持ってしまった子供著者について
はしもと おさむ/1948年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、1977年に小説『桃尻娘』で作家デビュー。以降、小説のほか、エッセイ、評論、戯曲、古典の現代語訳など幅広い分野で多彩な執筆活動をおこなう。『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、『草薙の剣』で野間文芸賞、『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、『「三島由紀夫」とはなにものだったか』で小林秀雄賞、『双調 平家物語』で毎日出版文化賞を受賞。『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ』『完本 チャンバラ時代劇講座』『ぼくたちの近代史』『江戸にフランス革命を!』『二十世紀』など著書多数。2019年1月に逝去。